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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

漆喰にまつわる諸々の容易

 さぁ、さぁ、やって来ました。不安しかない左官工程最大の壁、土壁への漆喰仕上塗り。不貞腐れていては到底越えられ無さそうな壁。それにしても、中塗り下地塗り開始からほぼ一年経過でようやく仕上げ開始。短工期が貴ばれて久しい現代にこの長工期。嫌になるなぁ。我ながら引くわぁ。

 

 本手記では、漆喰塗りについて最難関とも素人作業とも書いたりしている。これは時系列がある。設計や概算見積時に比較的簡単という愚察から始まった。しかし、左官について触れていくと全くそうではないと認識したのだ。

 

 漆喰は、通信販売だけでなく、巷の平凡なホームセンターでも売られている。よって、建材の中でも値段把握は容易。 

日本プラスター うま~くヌレール 18kg 白色 12UN21  (シロイロ)

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 漆喰壁等を目にする事も容易。インターネット上だけでなく、テレビや雑誌で幾度も目に触れる。実物にしても、この家の地域でなくとも見受けた事は今迄数え切れない程ある。きっと二人もそうだろう。

 そして、その塗り手が素人という事例も数多あるようで、インターネットでも書籍でもそれを検索して見つける事も容易。

 よって、お父さんにとっても諸々容易な建材と断定。

 

 が、それらは幾つかの条件の下での事だと分かってくる。最も顕著で分かり易いそれは、「石膏ボード等の新建材の下地壁」に、「化学製品を塗る」事をしておき、また別の「化学製品を混入させた漆喰」を塗っている場合。これらの施工法を批判する漆喰材販売業者は幾つか見受けられる。

 何度も書くが、自身や家族の身体への影響が無いのであれば、自然素材云々を特段優先しない。個々人の主義思想により選択すれば良い程度の問題だ。気に食わないのは、例えば科学と化学の力と先人の努力によって成り立った移動機械を、化学製品の液体等を燃やして空気を汚しながらそれを動かす事で、直接的間接的恩恵を受けている自然素材原理主義者の輩だ。完全自給自足生活を成立させてから出直してこい。

 

 一方で、何やらかんやらを添加しない、元来の漆喰という建材をアピールする業者等の論にはお父さんなりの同調をした。

  漆喰とは、消石灰というものを主成分として、それにスサと糊を入れたもの。仔細は後述。で、消石灰は空気中の二酸化炭素を吸収して硬化していき、元の石灰石に戻っていくわけだな。これは、自然界で安定した状態になっていくという事。それは、理想的長寿命建材と同義語。

 

 このような建材に、わざわざ薬剤みたいな物を使う事に何か引っかかったんだな。漆喰の特性から考えると化学製品を使う意義は、価格と施工性に集約されるのではなかろうか。価格については、予算から許容範囲。施工性については、販売業者の記述から何だかクリア出来そうな雰囲気。

 という事で、結果的に完全自然素材と謳われる漆喰材にて施工する事を決定。大量発注による割引があるとの事からそれに応じた量を、搬入等の仕事を用意する必要があった事から探検さんご来訪時に合わせて発注した次第。

 

 で、それから凡そ一年半。この間、あれ程有った漆喰の施工性への楽観は、きれいさっぱり消え失せた。

 

 左官本職でも高難度である。本職でも化学製品を使う。本職でも不慣れや技量不足で不具合を起こす。本職でも土壁下地への漆喰施工をした事が無い人は多い。本職でも。本職でも。本職でも。本職でも。

 そのような記述も容易に見つかる。なのに、当時のお父さんは掘り下げず。もう大量発注済だし。いや、そもそも化学繊維と化学糊の漆喰に買い替えたとしても、消石灰消石灰。別に何ら解決しない。泥土と藁スサによる中塗土仕上げでさえも上手くできなかったお父さんという施工者成分が、容易な事ではない大問題なんだ。