家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

埃の設計

 ただ、この方向でずっと検討していたが、決定にはなかなか至らない。それは、どうやって作れば良いのか見えないから。

 構造に寄与する木組み方となると精度が求められるはず。その自信が無い。さらに、この格子壁は通風させたくない遮断壁。となるとガラスを挟み込みたい。これによりさらに造作難易度が高まる。また、構造壁としての特性が不明。強さの指標は法律に明記されている。だが、剛構造か柔構造か分からない。

 

 施工面や構造面だけの引っ掛かりだけではない。使用面でも引っ掛かる事がある。それは、埃。 

 お父さんは石タイル貼の壁の意匠が好き。その類の意匠がフランク・ロイド・ライトの影響なのかは分からんが、今やそのような住宅は国内にも数多ある。お父さんも新築や在来工法中古住宅検討期には前向きに採用する気でいた。ただ一方で、凸凹した壁での埃堆積は如何なものかが気掛かりだった。凸凹した石タイル貼壁にも埃は堆積するんじゃないか。目立つかどうかだけの問題じゃないか。

 改修前の障子が沢山あるこの家で、その桟に溜まる埃を掃除するのはお父さんの役目となっていた。お母さんはいくら言ってもそこを掃除しないからだ。他人の家なら入るのに、自宅で自分が気にしない事は視界に入らない不思議体質なのだ。埃堆積事例を見付けた事で嗜好よりも現実を採った、デカイ家での掃除負担軽減の方をだ。

 

 設計者の立場なら、埃堆積とかは別にどうでもよいのだろうか。採光やら陰影やら動線やら使い勝手やら、住宅設計者によって注力する所は様々のように思われるが、埃堆積を考慮に入れた文言や発言には終ぞ触れた事が無い。実際にそこに住む者にとっては侮れない事柄だと思うんだな、埃って。

 という事で、設計者であると同時に使用者でもあるお父さんは、設計する際にはほぼ全箇所において、埃についても考えてみている。だが、その全てについて埃対応が出来ていない。埃に重きを置くと出来ない事が結構増えてしまうんだな。だから、設計者は目を瞑ったり考慮しないのかと勘繰る。

 

 将来、全自動全館埃吸引マシーンとか出来るまで待たないといけないっぽい。それまでの間を格子壁の埃と格闘していく気になれない。特に、階段踊り場より下部については苦戦の上に敗退するのが目に浮かぶ。

 埃が溜まりにくいような、或いは、埃が溜まっても掃除がしやすいような格子壁。そうなると、障子のような細い桟による格子模様のガラス壁しか思いつかない。ならば、もうガラス板だけで良いような気がする。階段踊り場に面する大きなガラス板。割れたら大変。となれば強化ガラス。となれば高価。だけど、構造面の寄与は無し。意匠的にも無味乾燥。

 という事でやはり何ヶ月も答えが出ず。しかし、施工が差し迫った。こういう事が多い事が、他の施工にいきなり切り替えるのを困難にさせている一因。そうも言っておられない。

 

 それを踏まえてようやく出た解答が腰壁案なのだ。階段踊り場辺りを境に、掃除がしにくい下部は土壁、上部は強化ガラスと木格子。格子は階段からの転落等によるガラス防護の為、そして後はデザインだけの造作物だけだ。

 こうなるとお父さんの施工技術でも可能であり、設計していても苦にならない。埃が極力溜まりにくくするには、単純に横桟をあまり設けない事かと。となると縦桟だけの千枚格子かな、とすぐさま浮かんだもののこれは違うと思い出す。以前の施主施工で同様の目的により同様の造作を行ったが、格子枠下部に溜まる埃の掃除が手間を喰った。

 

 横桟も縦桟も少な目に、だけど陰影を感じられそうな。すぐ横に位置する引戸障子の桟がこれに類するし整合性もあるが、何だか詰まらんなぁ。と思い付いたのが、ライトの作品で見たような気がする窓ガラスの鉄格子。ライトのは材が細くて軽やかな印象だが、お父さんのは木格子なので太くする。それにより印象は変わるが、それなりに満足な物になりそうな気がする、設計上は。

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