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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

木造軸組工法と木造壁式構造

 ターゲットは書院があった所。ここに壁を新たに設ける。

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 初期からある時期までの設計では、当該場所に何かしらの壁は設けるには違いないが、一部用途が違っていた。書院が無くなる事で、南側縁側の西奥が無為の場所となる。よって、書院西半分側は中庭植栽用具等の物入れにしようと計画してみていた。東半分側は単なる壁か、階段通路かと。

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 ただ、よくよく考えるとどうも腑に落ちない。

 前出の計画で行くと、どうせ使っていない雨戸の戸袋撤去は良いとしても、池っぽい窪地の対処が必要となる。ここに橋を架けて物入れ動線とする。雨がその橋に跳ね返り周囲を濡らしまくる。う~ん、良くない。物を置く場所にも困っていない。お隣さんとの板垣の取り合いも面倒になる。それらの上で、縁側と物入れの仕切り壁を設ける意力はとても湧かない。

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 という事で、階段が矩折階段となった事もあり、書院があった場所は全面壁とする事になる。この次の問題はどのような壁にするかだ。西半分は、床の間があった所に造作収納になる事からもただの壁。これは決定だがどういう構造壁にするか、これに迷い続ける。

 

 結論から言うと土壁だ。理由は、耐震性向上の為。

 従来の日本家屋大体全てにおいてだと思うのだが、南側は開放的になっている。壁が極力設けないのだな。この南側の壁量の少なさは、学者や設計者や業者は危険だと言って問題視する。鉄骨造等は除き、現代の在来工法木造住宅はにおいては一定量の壁が設けられるようになった。それもこれも、地震による倒壊の一因とされてきたようだ。いくら南側以外は壁が多くともバランスによって成り立つ建物において、南側だけ崩れて他は大丈夫とはいかないわな。

 

 さて、この家も南側が危弱な構造だとなるわけだが、お父さんはそうは考えていない。専門家と呼ばれる方が指摘しているのは、特に戦後に建てられた細い柱の家屋である。例えば、この手記が読まれている頃には無くなっている予定の納屋。資材置き場兼土壁材量取り家屋となっているが、現在の状態は安普請な家と同じような状態に近い。これは流石にお父さんも大丈夫だとは思っていない。解体までに大きな地震が来ない様に祈っている。

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 で、伝統構法も在来工法も何かしらの分類だと同じ「木造軸組工法」とされているらしい。それが間違っていないなら、お父さんは在来工法に関しては「木造壁式構造」と称する方が正確じゃないのかと真剣に思っている。一般的な住宅は、不足の戦後の時も豊富かつ安価な現代でも木材が細い。いくら金物で木材同士を緊結させてもこれでは家屋を保たせられない。よって、壁。合板や筋交等を入れてガチガチにする。柱や梁は壁を造る為の枠材か、と思う程に壁はとても重要。

 翻って伝統構法は壁は補助、馬鹿太い木材による軸組によってだけでも建物として成立するような作り方。例えになるか分からんが、ホームセンター等で売っていて自分で組み立てる金物多用な家具と、家具職人が金物を使わずホゾ等で組んだ家具の強さと柔軟さの違い。同じ家具でも物が違うんだよ、物が。在来工法の知識で伝統構法を考えてはいけない。専門家と言われるような人間でも、混同している思考者は結構少なくないと見受けられる、と口を酸っぱくして繰り返し書いておく。

 

 そう偉そうな事を書いている自信たっぷりのお父さんなのだが、当該場所への壁設置欲求はあるのだ、まさに耐震面で。所詮お父さんは、在来工法にたっぷり浸って来た現代人なのだな。

 だからと言って在来工法的壁、構造用合板や筋交入りの壁等は以ての外。家屋の動きを阻害するかもしれんので。耐震面、正しくは吸震性を得る為ならやはり木造軸組の補助的な土壁。この箇所に入れると量相応の効果があると思うんだなぁ。ここに至る事自体は迷わないのだけども、手間と材料面で躊躇い、まだ先かと決断していなかったんだな。このまま未決にするとブラブラする事になるので、王道を貫く事にした次第。