家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

平成28年の叔父さん叔母さん家族

 家族ではなく親戚の事だが、平成28年の大きな事柄としては姻族ではなく血族の甥誕生だ。二人にとっては父方の初めての従弟だな。

 

 急に話が変わるが、有名な漫才師の影響でなのか、尼崎は日本有数のガラの悪い地域として全国的に知れ渡っていそうな気がする。路線で言うと阪神電鉄沿線か。ただ、それも二昔前かのようで、再開発等が進んですっかり垢ぬけた商業住宅地域になっているようで。全然大した事が無い、と言う人がいた。

 その人は岸和田出身者。そう、あの岸和田。岸和田の方が余程ガラが悪いとの事。あ真実だと思う。尼崎を凌駕するとなると日本一かもしれない、岸和田は。その岸和田を有する泉州地域。車のナンバーで言うなら和泉ナンバー地域。お父さんが家探しで避けていた地域。

 

 他県の人に大阪産の日本酒をお土産に持って行った事がある。感想は、大阪の酒だからどうなのかと思ったが美味しかったと。という事はだ。大阪の水等はマズそうだ、という意味が含まれているわけだ。大阪平野は山に囲まれている事から、良質な水が得られる地域がある。同じ淀川水域の京都の酒ならそういう感想では無かったはず。日本酒の水は川ではなく地下水かもしれないが、きっと同じ事だろう。要は、大阪はガサツで汚らしいイメージがあるのだろう。それが環境的な事だけでなく全般的にそう思われていそうだ、全国的に。

 

 そんな大阪の中でも泉州、もうちょっと広げて南大阪は、大阪市内や北大阪から低く見られがち。大和川を超えると未開な別地域だ、ってな具合。

 はいはい、そうですよ。ガラが悪い中途半端な田舎ですよ。未だに暴走族は現役。高速道路の新設による立ち退き交渉で、地主が理不尽な立ち退き料をせしめようと足掻いた結果、地下化に計画変更されたという噂が実しやかにありますよ。関西で一、二かの数の飛込み自殺があって、度々電車を止められる路線がありますよ。そう、他人の迷惑顧みずの人が多いですよ。品なんて無いですよ。大阪市内も北大阪も「そういう地域」は点在しているが、南大阪は「そうでない地域」が点在しているに過ぎませんよ。住みたい街ランキングに尼崎は入っても、南大阪の市町村は一つも入りませんよ。はい、そうですよ。

 そんな品無き地域出身のお父さんとお母さん。確かにお母さんは皆無。奇遇に近所だったお父さんは、これでもこの地域でだと品がある方に見られたのか、京都出身かと問われる事が何回かあった。真正京都人の方からするとちゃんちゃら可笑しいと思うが。そもそも、京都人=品という発想がもうダメ。

 

 当然、同じ所で育った我が弟、二人にとっては叔父さんも品は無い。しかし、妻である叔母さんには品を感じる。

 叔母さんの実家は和泉ナンバー地域外の資産家。農家をされていて農地や山とかを持っているが、地方都市の中心部の駅間近にも広い土地を持っている。そこを駐車場にされていて、その賃料だけで生活できてしまうようだ。伝統構法ではなさそうだが日本家屋に住まわれていて、この家ぐらいの規模がある。そして、しょっちゅう改修されているとの事。うむぅ、羨ましいわ。

 叔母さん自身、非常に遠いのにわざわざ神戸のお嬢様が行きそうな大学に通っていた、と記憶している。品と言うのは生まれ育った環境で育まれる、と叔母さんと叔父さんとお母さんと自身を比べて改めて思う次第。何故、叔父さんと叔母さんは結婚に至ったのか不思議。

 

 そんな叔父さん夫婦はなかなか子供が出来ず、色々努力してきた。その念願が叶い生まれた従弟を伴い、平成28年末に挨拶に来てくれたのだ。

 この丁度一年前、お父さんは叔父さんに住まいの事を薦めてみた。お父さん自身、幼ききょうこにより終の棲家について考え始めた。叔父さんにも子供が出来る事を契機に考えてみてはどうか、と。これは以前にも書いたが一蹴された。租税回避云々の話だ。

 そんな叔父さんだったが、叔母さんの話によるとどうやら家を見て回ったりしているらしい。しかも、この家のような家屋だとか。よって、奈良の山奥とか伊勢とか、お父さんも以前にチラッとインターネットで見た地域の物件。叔父さんの場合は実際に足を運んだそうで。

 

 お父さんは、他者に助言や意見をしてそれを後日取り入れていても、取り入れたよと言ってもらえる事が本当に無い。いつの間にか自発的な案の体で聞かされて、正直な所はツッコミたいし何だか寂しく思った事が多々ある。ただ、大人の恰好付けとしてほら言ったでしょ、とは言わない、お母さん以外には。我が弟にも兄として言わなかった。叔母さんの実家の影響もあるかもしれんし。

 ただ、もしそれが実現し、さらには改修しようものなら逃さない。その時は酒を飲みながら大人げなく言ってやろうと思う。言った通りにしたな、と。それが楽しみだ。