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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

室内明るさ考

 それを経ての野地バラ板の切断、そして開口。すると、母屋二階が見知らぬ空間になった。明るくなったからだ。この前後の違いには驚いた。

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 家の中は明るい方が兎に角善。そう考える女性は多そうだ。家探し初期の頃のお母さんも例外なく。

 昨今の戸建住宅は庇が短いだけではなく、庇そのものが無い家屋は結構見受けられる。寧ろマンションの方が、上階のベランダという庇の働きをするものがあったりするよな、なんて思ったり。戸建供給者側は庇が無い方が何かと都合が良い。簡単だし安くなるし。

 その上で明るい方が兎に角善である、という需要者側の要望。思惑は違えど結果的に利害の一致、何ら問題ない。一代限りと割り切っていて、老後にも同じ供給者等に補修代金を払う気満々なら全く良い。例えば、施主の為と思って長い庇を説いてもウザがられた、という供給者がおられたりもするご時世のようだし。

 

 一方である人は、明る過ぎる住宅はどうなんだと辛口批判をしている文言を見受けた事がある。あくまで読み手のお父さんの解釈だが、その批判的な人からは「日本の家屋は暗さをもって旨とすべし」的な意図が汲み取れた。何故そう思われたのかは失念。と言うか、その根拠の意味が読み取れない。

 それに拍車をかけたのは、その人自身は天窓を作ってご満足、という言動不一致さ。お父さんの読解力が足りないとかで思うのか、そういう事がそこそこ見受けられる。ツッコミを入れると後にツッコミ返しを頂いてしまうのでそれを避ける為にも書くと、「過ぎるは駄目だがある程度は」がきっと真意だと解釈してみる。その天窓は直射を和らげて日光を入れるようにされているからだ。

 ざっくりだがそんなわけで、「兎に角明るい」と「ある程度明るい」が二大派閥かと思ったりする次第。

 

 さて、お父さんの場合はと言うと、家屋の傷み等は勿論の事、暑さが嫌なので明るいのは嫌。暑くない事が兎に角善。明るさは二の次、三の次。特に照明と違ってエアコンは、自由に設置しにくそうなこの家屋だと尚更。そんなわけで、明るさの過小は特段考えない。

 

 一応言うと、暗さを良しとも別に思わない。「日本家屋は暗さをもって旨とすべし」も微塵も思わない。それはあくまで「夏をもって旨とすべし」の結果論の一つであり、よくある懐古主義的思考と考えるからである。

 洋の東西問わず、昔の家屋は建築技術的に暗くなってしまうのであって、意図してやっているわけではない。例えば、宗教施設での神秘性等々の演出で「光の西洋」と「闇の東洋」の違いはある。そんな文化面等から「日本」の個性として挙げたくなるのは分かる。

 しかし、文化発展を牽引してきた権力者や大金持ちでも、建物内を必要に応じて明るくしている。文化を底辺で支えてきた庶民には、暗さを旨とかそんな事は関係あらへん。特定少数者が意図したわけではなく、庶民は明るい家屋に出来ないし、出来ても不都合があるから結果的に暗くなっただけ。はい、以上。

 

 話を戻すと、採光を気にしていなかったお父さんは、開口が出来た二階に居ると不思議な感覚に襲われた。

 お父さんはそれなりの年齢まで連棟家屋に住んでいた。狭い家屋にも関わらず居間は昼間でも照明が必要。家屋内に明るさを求める人は、そういう環境で育ってきた反動があるかもしれない。明るさを重視するのが女性に多いのは生命防衛反応か。暗さには、不衛生さや害虫や菌の繁殖等を連想させる所があるし、現実にそういうものへ寄与する。生存本能で感じている所があるのではなかろうか。

 

 至って男のお父さんの場合、それとはまた違う空間の感じ方がした。拡がりだ。

 広く感じた、というのとはちょっと違う。上手く表現出来ずに大袈裟になるが、自身の内が横にも上にも大きくなる感覚だ。これは写真では感じないし、それが当たり前の環境でも分からないかもしれない。普段はオフィスワークや都心で仕事をされている人が、休日の余暇として自然に触れた際に味わうような感じに近いのかも。

 

 アウトドア好きではないお父さんもちょっと天窓設置欲が湧いたが、結論は却下。予算と瓦屋根への施工からだが、それ次第ではもしかして復活するかも。

 そんな逡巡を経て、チムニー躯体をきょうこに手伝ってもらいながら設置開始。

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 躯体はどうしても、躯体から見て水上側となる丸太母屋に掛かってしまう。一階の梁と煙突との距離確保を最優先に、薪ストーブ設置位置と同じくチムニー躯体位置も決定している為。

 この問題も長らく解決しなかったが、ここで逆転の発想っぽい事を浮かぶ。もう一つの問題、チムニー躯体の固定法。チムニーと直接接するのは、屋根野地板や垂木、そしてその丸太。板や垂木には固定不可だけど丸太母屋に固定出来れば間違いが無い、と気が付く。という事で、丸太母屋を切り欠いて躯体を嵌めて固定する。

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 それでもチムニー水下側は宙に浮いた状態で話にならない。そこで、チムニー躯体を左右から挟み込むように、水上下側の二本の丸太母屋に掛かるように垂木的角材二本を新たに叩き入れた。その角材を四寸釘等で固定した上で、その角材にてチムニー水下側を固定。

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 以上にて、屋根開口とチムニー躯体設置はほぼ完了。凡そ一人工を要す。ある日に突如現れた、という感じの屋根上工作物。日がある内ならこの家屋を遠目から見ても分かる初めての変化。

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