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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

素人施工のダメな所一例

 漆塗りに資材在り。下地用生漆2kg、摺用上生漆0.9kg、MR透漆0.4kg、灯油2.5kg、拭き紙50枚、砥粉と小麦粉と木粉と麻と油と洗剤少々、そして水大量。母屋一階一部床板にこれだけ要す、お父さんの摺り漆。

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 以上が大体の資材の量。では、一回目塗りで面積当りで漆はどれほど使ったか、と言った数字。これは凡そ30g。灯油と混ぜた内、漆分はこれだけ。ただ、この数字は4m材の場合であって短い材になる程数字は増える。さらに、二回目塗りや三回目塗りの数字は、紛失していたり今から見ると理解不能だったりと。いやはや。母屋一階分だけでもまだ手付かずの板材があるので、必要な数字だったんだけども。

 

 そもそも三回目塗りでは終わらない。四回目塗りが仕上げである。と言うか一回目はあくまで木地固めの下地塗りでカウントせず、という考え。中断したのは、漆に根気が尽きて手を付けたくない拒絶感が出たから。

 それ以上に、例の寒さによる湿度問題があるからだ。その前提には、件の板材の施工期がまだ先が明白となり春期にまで延びそう、又は延ばせる事がある。元々、他施工と並行したのは、来るべき冬季に床貼が始まる可能性を持っていたから。これが諸々の案件で遅れに遅れ、この可能性はほぼ無くなったけども。

 

 冬季施工以外にも要因がある。漆の保存状態の心配だ。

 一部の床漆材の購入はキッチン天板用と同時期で梅雨前。床板漆塗布作業は11月。この間、真夏も経過。土蔵で保管していたので問題ないだろうとしていたが、購入品は桶入り物。金属チューブ入りと違って密閉性に少々不安を途中で抱き、この消化を目的としても塗布作業を硬化環境時に行おうとしたのだ。

 

 その漆材は三回目塗りのMR漆。文字通り蓋を開けると、やはり粘度が高くなっていた。金属チューブ入りのそれとは明らかに違う事からそう判断。三度目塗りでは灯油を混ぜる予定にしていなかったが、これにより変更して投入したのだ。

 漆の使用期限は、一年か二年はあるという文言があった。しかしこれは、完全密閉容器にて冷蔵庫等の低温低湿環境でだと思われる。また、そのような環境保管でも、漆が硬化する成分であるウルシオールは時間経過により活性が低下するようだ。要は、漆はやはり生物という事かな。

 この漆を使い切った事で目的を達成、四回目塗りは暖かくなって来た頃に改めて。あぁ、先が長い。

 

 漆の生物具合と言うのか、工業製品とは違うと思ったのはこれ以外にもあった。

 漆の国内販売者の全てでは無いかもしれないが、販売者はイコール製造者でもあるように見受けられる。国内外から原料を仕入れ、自社や自店にて精製加工するっぽい。また、原料仕入れ先も様々かもしれない。

f:id:kaokudensyou:20161231134045j:plain←一番右のみ大手販社品漆

 

 以前にも書いた、国内販売大手と思しき販社と心配りに好感が持てる販社の二社。その時の発注量により、送料無料になる方を使い分けていた。

 そして、一回目塗りの大量に漆を使うものの使用量が不明な下地用生漆。これは使いながらの発注としていた。最初は、好感的販社品を使用。量の微調整の為、追加は大手販社。すると、物が違う。全然違う。同じ「下地用生漆」なのに。

 

 好感的販社品は色が濃くて硬化が早い。大手販社品はそれらの真逆。後からの大手販社品を塗った時点で、お父さんが誤発注をしたか販社が誤発送したのではないかと即座に思った程。下地用生漆は皆同じ、では無かった事を体感。送料と言っても別に何万円も何千円もする額では無い。また、予算がふんだんにあってもここはケチる。それがお父さん。

 

 しかし、ここまで違うという事を知っていれば違う手段を採っていたと思う。二度目、三度目と来てこの色違いはかなりマシになったので良しとしておくが、それまでは冷や汗ものだった。建材資材の無知、という素人施工のダメな所が思いっきり出た事柄だったわ。