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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

床板馬鹿塗り

 いよいよ床板への漆塗布。ここに至る迄は長く、ここからもまた長い。

 

 まずは、木地へのヤスリ掛け。埋め木の平準も兼ねているので、強力なベルトサンダーを用いての120番と240番の二度掛け。ただただ掛けていく。ただただ。これだけで三人工弱は掛かっただろうか。

 

 漆実験を兼ねた色サンプル作成により決定した通り、一回目の塗りは生漆を使用。但し、サンプルの上摺用とは違って下地用の生漆に切り替える。用途に応じさせる上に、ちょっと安いので。

 この一回目塗りは木地固め。下地用生漆は結構ドロッとしていた。例えるなら蜂蜜よりも、たこ焼の生地よりも固め。木地への浸透を目指す為にこれを灯油にて緩める。灯油使用理由はキッチン天板と違って床だから。なのでテレピンよりも安い灯油、をだ。重量比で凡そ5:5にし刷毛にて塗り込んでいく。ただただ塗り込んでいく。ただただ。これには五人工程掛かっただろうか。

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 木地固め塗りと並行して錆漆と刻苧を施す。

 埋め木だけでは埋められない箇所が複数あった。自作埋め木の最大径30㎜を超える節穴。こういう箇所には再度の埋め木処理を行うが、それで賄えない箇所が残る。数百個作った埋め木は相当分無くなった。それだけではない。埋め木に頼る程でも無い穴や陥没も数多ある。

 そのような自然のものだけでもない。明らかにどこかにぶつけた陥没もあったりする。製材所や加工所の段階での可能性もあるかもしれないが、普通に考えれば当現場で付いたものだ。狭い搬入口に壁や柱、そこで長尺材を独りで振り回す。多分、犯人はお父さん。浅い箇所は錆、深い箇所は刻苧で勿論埋めていく。ただただ埋めていく。ただただ。二人工程度だったかな。

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 この次。木地固めとして塗布した漆、それに錆漆と刻苧の硬化後、これらをヤスリ掛けの雑巾掛けにて塗装面を整えていく。そしての漆塗り。この段階では摺用上生漆というものを使用。これを灯油にて5:3に緩める。この程度の粘度、かつ木地固めした材へは桧ヘラが使えるようになったのでこれで塗っていく。ただただ整え塗っていく。ただただ。これには四人工ぐらいを要したかな。

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 はい次。今度はペーパーヤスリを用いてのヤスリ掛け後、MR漆を5:1程に緩めての三度目塗布。当初、緩める予定ではなかったがこれは後述する。やっぱり、ただただ整えて塗っていく。ただただ。これにも四人工ぐらいかな。

 

 確かに「馬鹿塗り」と言う人が居てもおかしくない作業だな。錆とかやっている頃にキッチン天板漆塗りでの精根尽きる事件が起きている。その後の床板漆施工は、何にも考えない無我の境地で進めていた。じゃないと進まない。よって、記憶も写真もあまり無い。

 逆に言えばそのような状態でも出来る程であり、さほど難しい作業ではない。そこで三度目段階にて、やりたそうに横で眺めていたきょうこにヘラを譲ってみた。流石に初めてで勝手が分からなかっただろう、お父さん程には薄く綺麗に漆を塗り延ばせなかった。ただ、もうちょっとやると出来そうにも思った。次回の塗り直しの頃、きょうこやりょうすけが主体となるかもしれないが、多分大丈夫。

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