家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

板からの学び

 時は少し遡りまだ精根尽きる前。母屋一階床板の追加発注分が納品される。

 

 節にあまり悩まされたく無い。節を無視して塗ると、そこに漆が溜まってしまうと固まる迄に相当時間を要する。はたまた固まらず。キッチン天板下地塗りでこそぎ取った未硬化漆を、塊状で置いてみたら表面のみ。中までは何ヶ月経った現在も固まらず。ウルシの木が何故にあのような樹液を出すか、そう考えれば合点。

 と言っても無節は勿論、上小節もさすがに高い。そこでケチって、上小節と小節、小節と特一等、それぞれを明確に分けない等級にて発注。

 

 で届いた物は不満。しかし、製材所に文句や苦情を言う内容では無い。発注通りの品である。では何だ、という事で考えてみた。

 特一等材を仮に三千円とする。その中には、仮に五千円とする小節級の物が複数枚混ざっていた。さらには、仮に七千円とするギリギリ上小節級も僅かにあった。「お得」感を得られる材級がそこそこあったのだ。

 今回の上小節~小節材を仮に五千円として、そこに小節級が入っていると当然で普通。上小節級が少ないと不満。同じく、小節~特一等材を仮に四千円として、そこに小節級がちょっと入っていても普通。既に納品済で残量多い特一等級が一枚でもあると損な感じ。その割合が結構あったので大損した感じ。

 

 この心理は、確か心理学か経済学かでちゃんとした名称と定義があったものだと思う。人間、そういうものなんだろう。答えが分かったからこそ言える事だが、それを忘れて迂闊だったかもしれない。

 同じ金額を出して特一等材で必要以上に発注すれば、同じような各等級の材数を確保した上でアホみたいな特一等残材も一定量手に入ったかもしれない。本施工において、また我が家の場合、板材が大量に余っても使い道が複数ある。納品待ちしなくて良い工程において次があるなら、そういう発注方法も前向きに検討してみよう。

 

 さて、節埋め作業を再開。ただただ黙々と作業。ただ、前回作業の最初よりは明らかに手際が向上。加工精度と品質も向上。全く身に付けたいとは思っていないスキルだけども。

 節埋め作業に投じた総人工数は一体如何ほどになっただろうか。埋め木作りも含めると10人工は超えていそうだなぁ。以前にも書いたが、1人工は8時間換算。作業日数では無い。10人工は10日ではない。1日4時間しか出来ない事もあれば、時には12時間施工をしている事もある。本作業においても然り、埋め木作り開始は6月で節埋め作業完了は11月。そして、完了して山積みにされたその床材は未だに半成品という。

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 床板如きで何だか色々考えさせられるお父さん。