家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

摺漆初完了

 次、と言ってもこれはほったらかし作業では無い。キッチン天板漆施工中断前に行っていた施工の事。それは、薪ストーブの下がり炉床の廻り枠への漆施工。

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 以前にも書いた通り、この枠は捨て床板にビス留めしている。その後、床板を漆仕上げする事になった。となるとここにも漆を塗る他無いんじゃないか、と相成った。しかし、枠材は外せない。外せないという事は、高温多湿期に塗っておかないと漆が硬まらない。当該施工前当時はそのように考えていた為、天板塗りと並行して塗布を行っていた。

 

 当材の塗り工程は床板と同じ、として開始。

 初回目。木地固めとして、浸透を意識し希釈生漆を塗布して拭きあげ。希釈の溶剤は、目の前にあったテレピンを使用。床材なので純テレは勿体無い。

 二回目。紙ヤスリにて軽く砥いだ上で生漆塗布して拭きあげ。この際、高温多湿によりキッチン天板と同状態であった為、やはり生漆を希釈させる。

 三回目。砥ぎはしない予定であったが、何せ建築現場の床面。何かしらの埃か何かが硬化途中の漆に付着したのだろうか、塗布面を撫でてみた指先に引っ掛かりが一部に感じる。よって、軽く砥ぐ。その上で、ご多分に漏れず希釈したMR漆を塗布。

 四回目。三回目と大体同じ。

 

 さて、予定ではここで終了。見た目も許容範囲。だが、予想外に希釈を全段階にて行っている。ここはただでさえ歩行による摩耗がしそうな箇所。なのに、希釈した保護塗料を塗り重ねて来た。どうせこれは見切り材。周囲の床より濃色になっても違和感が少ないだろうし。

 という事で五回目も実施。ここでも希釈MR漆を使用せざるを得なかったが、取り合えず良しとしておこう。思惑と違って、この床枠が本施主施工で初めての摺漆完了材となる。

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