家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

人類の優れた発明品

 採用した換気扇が、外壁に大きな箱を付けるこの仕様になった理由も書いておこう。

 

 当初検討していた換気扇は、違うメーカーの壁付と天板付の二種。壁内や天板下部の違いはあれど、いずれも大きなダクトを設置した上で、吸気口よりも下方の外壁にファンを取り付ける仕様。この仕様の良い所は、プロペラファンが使える所とお父さんは理解した。百年後には劇的に変わっているかもしれないので、これについても書いておこう。

 

 プロペラファンとは、5枚や6枚の大きな羽根が円形に配置されている物。プロペラはお父さんが生まれる前からある物で、巨大な戦艦大和やB‐29であってもこれにより推進力が得られ、扇風機では涼が得られた。人類の優れた発明品の一つだと思う。

 プロペラファンは負圧能力が高いらしい。部屋の空気を吸う能力だな。さすれば換気扇には打ってつけと思いきや、騒音は高目。これは確かに実感する。料理店厨房や工場には良いかもしれないが、家庭用では限度がある。

 検討換気扇はこれらを全て解決していると思われる。高能力仕様のプロペラファンであっても、設置場所が外部下方にあって騒音が気になり難いかと思われる。そして、オマケの良い面はファンの掃除がしやすいわ、普及品なので交換が容易かとも。

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 但し、この換気扇は高価だった。薪ストーブのように、熱源本体よりも排気設備の方が高額という具合。

 ここでお父さんは立ち止まる。仕組みは非常にシンプルなので自作が出来ないものかと。ダクトは自分で溶接して作るか、高額にはならなさそうなので外注しても良いかも。換気扇は通信販売で容易に許容価格で手に入る。問題は吸気口の意匠性があるグリル。これはステンレス加工業者に特注か。何にしても施工はかなり先。間近になったら見積集めて再検討するか。

 

 と思っていた矢先の保留決定数週間後、生産終了という驚愕のお知らせがやって来た。

 大手の国内住宅設備企業では壁付仕様は生産されていない。換気扇自体の仕組みは、お父さんが自作を検討するぐらい単純なのに。ただ、設置工事が難儀。電気は共通として、別途で壁か床も絡むし、キッチン本体も絡むし、もしかして外壁も別途の絡みがあるかもしれない。一般的な上方設置換気扇だと、その設備職だけで壁に穴を開けたりと設置が出来てしまう。先の施主施工においても特段難しく無かった。

 

 さらに、上方設置換気扇の既存製造ラインが存在するのだろう。IHコンロは検討して採用しても、消費者は換気扇の能力や効率性の事までは考えない。しっかり吸気しているかどうかなんて分からないだろうし、考えないだろう。だから、敢えて設備投資を新たにして自分の首を絞めるような壁付換気扇なんて造らない。というお考えなのか。

 導入工事の煩雑さによる障壁と大手企業との競争敗北によるのだろうか、製造企業は本製品から撤退するとの事。これ以前にも製造企業は何回か変わったらしい。これは売れるぞと思ったものの失敗、か。