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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

百年後に換気扇は有るのか否か、それが問題だ

 唐突だけども、これを書いているのは平成28年、西暦だと2016年。なので、百年前だと大正5年で1916年。第一次世界大戦中の頃だ。現代からすると大昔の感がある。当時の人からしても現代は驚く事が多くなかろうか。科学技術も然り、庶民の風俗も然り。

 

 他方で、現代に繋がっている感もお父さんは持っている。

 例えば、現代は通信情報端末を多くの人が持っている。通信インフラが未熟な国の人達も、この科学技術のお陰で世界中と繋がる事が可能になっている。同インフラが成熟している先進国等の優位性が相対的に低下したと見る事が出来るかもしれない。では百年前はどうかと言えば、無線通信技術はとうに生まれて実用化もされている。これが世界を変えていく技術になって行くと当時の人達はどれほど考えただろうか。

 この手の例は枚挙に暇が無い。対米戦により国土が焦土と化したり、国体がガラッと変わったり、継承者である数多の人々が亡くなったからと思うが、昭和20年以前以後とは隔世の感がある。しかし、実際は紐解いていくとそうでは無い事が多いと思うのだ。

 

 一方、未来を見た時はどうか。もしかすると、21世紀は「木の世紀」になるかもしれないぞ。

 実は鉄より木の方が強度がある、と木材利用推進者の方達は言う。同重量の場合という条件でだ。それは非現実的かつズルいお話であり、鉄骨等に取って代わる事は出来ない。細い鉄骨で済む所を太い木材を敢えて使うなんてのは公共建築ぐらいじゃないの、と思うのだ。実際の設計や施工の現場にて、鉄の使い易さを手放す事は困難ではないか。

 

 しかしだ。鉄より軽くても強度は数倍という木質素材が、日本の科学者により生まれているのだ。無垢材でもなければ接着剤で固めた木質材でも無い。まだ完全確立されてはいなかったと思うが、成形をする事も可能だそうだ。大量生産技術も確立しつつあるらしく、まだ難がある製造コストをクリアする日が近いかもしれない。もし実用普及が成されると世界は相当に変わるかもしれない。19世紀が鉄の世紀、20世紀はプラスチックの世紀。そして21世紀はこれが素材革命となって木の世紀になるかも。

 この手の例も枚挙に暇が無い。地表に居るから平らだと思うのであって、離れて見ると地球は丸い。これと同じようなもんで、普通に生活者として現代を生きていると、未来になって行っている実感が最新機器に触れた時以外にあまり無い。でも、現代に人知れず生まれている物や技術や思想や文化が百年後に繋がっていて、2016年のお父さんからすれば驚く世界になっているはずだ。

 

 そう考えると換気扇の話をする気が猛烈に無くなるわぁ。お父さん世代が囲炉裏を使っていないが如く、孫世代辺りは換気扇と言うアナログ機械を利用しているのだろうか。日本は自宅内で調理をする割合が多い方だと聞いた事がある。これは未来永劫なのだろうか。換気扇を含むキッチンは現代の囲炉裏や薪ストーブのような、実用性や利点等はあっても手間が掛かる趣味的要素が強い設備になるやもしれない。

 調理をするとしてもスイッチ一つで完成したりして。いや、スイッチという物理的装置は絶滅しているかもしれない。サービス提供企業から電波が飛んできて、それを受信したダイニングマシーンテーブル内にて指定時間に栄養バランスを考えた食事が作られ、天板がウィーンと開いて提供。食事後は、食べ残し具合を検知した上で食器を全自動洗浄し、マシーン内にて殺菌保管。

 こりゃ、換気扇の事を書いている暇があったら、ダイニングに配管施工可能とする仕様を考えるべきかも。いやいや、残飯と排水を塵化処理出来るようになっていて配管不要かも。だとしてもダクトは要るかもしれない。う~ん、悩むなぁ。