家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

単純作業で散文思考

 天板本設置後、固定に勤しむ。天板固定法はL金物。L金物が使えない一部にはT金物を使用した。L金物と言ってもそんじょそこらには売っていないL金物。その名は「反り止め金物」。

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 「反り止め」とあるように天板の反りに対応した金物。これをバカスカ取付ける。特徴としては、天板側のビス穴が長くなっている。天板材が収縮等による動きを阻害しないようとの事。阻害させると最悪の場合は天板材が割れるらしい。

  これは吸い付き桟と同じ思想と目的を持った部材だ。この金物の存在は知っていたが、これまで書いて来た通り、天板そのものの反り止めには吸い付き桟施工を選択した。この金物を使えば施工が遥かに楽で早かったのだが、確実性が不明だったのだ。この程度の金物で果たして効果はいかほどかと。お父さんの吸い付き桟と比べると、もしかして反り止め金物の方が確実だったかもしれないけども。

 

 ただ、吸い付き桟があるので反り止め金物が補助的に効くのではないか。若しくは、お父さんの吸い付き桟が弱くても反り止め金物が補ってくれるのではないか。天板固定にて、お父さんの知識と技術では避けて通られない金物使用。ならば反り止め仕様だと。

 

 購入は通信販売だ。ちょっとした金物屋なら置いているかもしれないが、金物屋を当ても無く探し渡るのは大変手間が掛かる。そもそも金物屋の数が少なくなった。アマチュア木工家の方はどうされているのだろう。

 古民家先輩は人口も人口密度も一桁少ない所に住まわれている。にも関わらずあちらのホームセンターは、こちらでは売られていないような物が結構あるようだ。あちらの住民の方はDIYの気風が高いのか。こちらは大都市圏が故に金物屋が発展していた分、後発であるホームセンターは品揃えが悪いまま来ているのか。

 いや、単に経営者の差のような気がするな。最寄りの上場企業ホームセンターは従業員教育不要の方針、尚且つ愛人を取締役に据えてそちらに会社のカネで横流しするようなとっても昭和チックな社長だったしな。一方で、九州にとんでもない品揃えのホームセンターがあるようだ。九州の施主施工者の方が羨ましいわ。是非ともこちらに進出して頂きたいと切に思い続けている。少々遠くても高くても通い詰めるわ。

 

 そんなわけで部材調達は結構苦労する。支那製云々以前に近隣内資企業がそもそもイケていないという話。そんな中で救いなのが、普通だと出会えない販売者と繋げてくれるインターネット。それにより本施工が成り立っている事を実感する部材の一つが反り止め金物。但し、普通のL金物と比べて個単位購入だとかなり高い。という事で箱買いして購入単価を下げる。多分、その数は本施工にて消化出来ると思う、きっと、恐らく。

 

 反り止め金物取付は、今までの施工や作業と比べて非常に楽な作業に分類される。だが、何故か思ったより時間を要し半人工強。

 1個当り5分強かな。え~と。位置確定、下穴一部開け、インパクトのビットをプラスビットへ交換、一部ビス仮締め、錐ビットへ再交換、残り下穴開け、プラスビットへ再々交換、残りビス本締め、錐ビットへ再々々交換。ビット交換が多いんだよなぁ。しかも、両手でやればまだしも、片手で交換する事が多いので余計に時間を要してる。下穴開け用にドリルを使用すべきかな。

 

 と、単純作業をしていると何だか散文的にあれこれ考える次第。