家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

もう施主施工なんてしない

 床材寸法切りの流れで加工を継続。床材問題の大きな懸案がまだある。例の如くの漆塗り。時は盛夏。早くしないと漆塗布期が過ぎる、とは漆の作業条件と硬化条件は別物とはまだ気が付いてなかった頃の話。焦り気味で加工を実施。この床板加工は、埋め木作りからも入れるとほぼ全ての電動工具と多くの道具や幾つかの治具がフル稼働となる。

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 まずは、節埋めを本格実施。先にも書いたが、この節埋めはホントに侮っていた。しかし、埋め木作りでも錐購入では後悔をしたがこれは後悔しようが無い。するしか無いのだ。

 工具を一つ持ち上げては床に置き、次に別の工具を持ちあげて、という動きが延々と続く。煙草を吸うにしても灰皿を使う事が一々面倒臭い。いくら午前中作業にしていたとは言え、なかなかの疲労感。そこで、簡易移動式作業台を新たに製作。これで効率値が急上昇。

 

 それであっても数が多い。これはもう無我の境地で行わないとやってられない。何人工かかったか、そんな事は知ったこっちゃない。汗まみれの中でただただ目の前の作業をこなしていく。ゴールも考えない。次の工程も考えない。お、意外に流れ作業員も出来るかもしれないな。

 

 節埋めが終わるとエンドマッチ加工と南側縁側敷居取り合い加工を実施。これは節埋めに比べれば進捗が早い。電動工具の調整を施せば後は見る見る内に作業が進む。

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 本当に全人工数は不明。ただ、携わる期間が長かった事は分かる。床材の発注は三月。納品と荷揚げは六月。埋め木作りは六月末開始。節埋めを含めた加工全般は七月一杯。そして後日に追加材分もまた加工。先の施主施工でも思ったがまた思う。もう二度と施主施工なんてしないぞ。