家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

美しさも金次第

 ようやく精度はイマイチ品ながらも埋め木作り終了。いざ埋めてみる。

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 まずは死節や抜節部を特定。

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 座ぐりする。

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 埋め木にボンドを付けてはめ込む。

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 そして奥まで叩き入れ、その後にヤスリ掛け。

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 至って簡単。と思いきや案外そうでも無い。そこそここれまた悪戦苦闘。一部だけ書くが、埋め木が凹んでしまう箇所が複数あった。埋めた際には間違いなく凹んでいなかった。思うにそういう箇所は、埋め木厚が不足していたもののボンドがあるから大丈夫、としたような気がする。ボンドが硬化する前にベルトサンダーでヤスリ掛けを行った事で熱くなり、それが冷めた際に埋め木を引っ張り込んだ。お父さんはそう見ている。何にせよ失敗。一部改めてやり直したがそのままという所も幾つかあるかと思う。

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 さて、埋め木を用いた事で節有材が上級昇格したかどうか。藁にもすがる気で挑んだがやはり昇格とはいかない。板地と埋め木の木目が合わない事もあるだろう。枝材による埋め木よりもマシなような気がする所が多いが、やはり埋め木で特一等が上級材にはならなさそう。

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 あるマズい事が頭の中で如実に現実化していく。こうなったら切断による材料取りを本格開始だ。これをすると後戻りは大変だがそうも言ってはいられない。割付図による材の選り分けと寸法切りを実施。

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 結果、一番材や二番材の不足数が確定。マズい事とは、この不足分を上等級指定で再発注する欲求だ。ざっくり10万円は裕に超える。こう思ってしまうと引き下がられない。しかし、振ん切られもしない。たかだか床材の見た目だけに10万円以上。誰がそこまで見ると言うのだ。自己満足にしても高額過ぎる。それに何より、多節材が不使用材となって大量に余ってしまうじゃないか。薪にするには勿体無さ過ぎる。どうすんだ、これ。

 

 数日、いや、十数日、この事が頭から離れない。そんなある日にいつもの脳内電球が点灯。多節材の使い道だ。本施工の見積には、結構な量の家具造作材分を含んでいる。これに多節材が大量消化が出来るのではないか。そうなると追加費用は一桁万円に収まるぞ、とな。

 という事で暫く懸案事項だった多節問題は解消。とまでは行かなくとも軽減するに至る、はず。