家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

値切らないという選択

 床材荷揚げの際、一枚一枚細かく見る事が出来なかった。揚げてから何枚か見てみる。

 

 「鼻落ち」がある。

 鼻落ちとは、写真にある通りの段差。表面を削る機械に材を通した際に起こってしまう。これは機械の構造上の問題があるので、納品前から大目に見るつもりだった。ただ、調整等次第で浅く出来たり見た目では分からない程に出来たりもするらしい。しかし、やたらある。しかも、鼻落ちが深いものもある。う~ん、少々不満。

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 節処理が甘い。

 生節まで処理してくれているかも、なんてのはお父さんが甘い。死節だって、何なら抜節であっても処理されていない所が複数ある。節処理されていても全部埋まっていない所もある。これはとても容認出来ん。

 それ以外にも、40㎜や50㎜を超える節が複数ある材も何枚かある。これは何かと問われれば、注文通りの特一等材だ。だけど、だけども、本当に材料を選ってくれたのかいな。

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 本施主施工では、建材や工具や機械の購入者としてのお父さんは我ながら非常に寛容。値切る事、安く買う事が美徳であり誉れとする地に育ち、「これナンボになりますかいな?」は挨拶代わり。業者側は値切られる前提の価格設定をしている。少なくとも購入者側全員がそう思っている。

 そのお父さんが本施工では全く値切らない信条。クレームさえ言わない信条。それは、素人知識程度しか持っていないから。ただただ手前都合での値切りやクレームは歳を追うごとに良しとしなくなった。普段は勝手知ったる玄人相手に商売されている方に、素人が故に手間や迷惑を掛けたりする。勝手知らない素人相手の商売は面倒臭い。これは業者側の時に思った感情。

 

 そうは言っても前回の区分所有の全改修施主施工では普通に値切っていたが、本施工は伝統構法家屋。業者側時に思った感情をより味わわせてしまうかも、として原則値切らない。授業料として考える。何かあってもこちらが無知かもしれないと勢いのクレームは原則しない。未だ本職施工に至っておらずどうなるかは分からないものの、この方針は現状変わらず。

 前回、柱材の背割り面を有無も言わさず適当に入れていた件も指摘せず。階段踊り場束用の原木の見積を取るも値段を理由に却下、自己仕入れした事でお父さんの中ではバランスを取っていた。本当は指摘してあげた方が相手の為になるという考え方だけども、今後も素人相手に商売をされるか分からんので止めておいた。