家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

布に漆

 「直ぐ使い」にしてもらった漆刷毛。もう直ぐにでも使える。だけども直ぐに使わない。

 漆刷毛のお勉強中、度々出てきたのは刷毛自体の強度を上げる事。漆刷毛が永遠では無いとしても、二人の代ぐらいまでにはちゃんと残っていそうなので説明しておこう。

 

 漆刷毛の構造を簡単に書くと、毛を板状に固めた「毛板」を、桧板で挟んで接着されているようだ。この「毛板」は、刷毛全体に入っている「全通し」や半分だけの「半通し」、その他「1/3通し」や使い切りの少ししか入っていない物等がある。全通し以外、中に空洞があるかと思いきや、毛板が無い所も板が入れられているので特段の空洞がないらしい。

 

 よって、毛板を挟んで囲っている板は薄いものの、刷毛を掴んだからといってベコベコになるわけではない。だけども、全員ではないかもしれないが本職の方々は、刷毛の廻りを漆で固めて強度を上げられるようだ。よく分からないが真似ておこうとこの時は思っていた。しかしこの後、実際に使ってみると結構な力を刷毛に掛けて摺漆を行う。確かに強度はあった方が良いと思った次第。

 

 また、刷毛の強度の為だけでは無い。桧板は、当たり前ながら無垢材。ちゃんとした乾燥材だとしても割れる可能性がある。それを防ぐ目的もあろうかと思う。

 さらに、漆刷毛を使う過程で油を用いる。しかし、刷毛に油が残ってそれが漆と混ざると硬化不良等、諸々不具合が起こる。桧板自体に油を付着させない方が良い。防油性もある漆で保護しておく方が良い、と認識した。

 

 お父さんが行った方法は、寒冷紗を刷毛に巻いて麦漆を塗るというもの。

 寒冷紗とは荒く平織に織り込んだ布。布って何とも弱そうに思うかもしれない。お父さんも思っていた。しかし、だ。漆塗品で木目が見えないエナメルのようなピカピカの物があるだろう。漆工芸品とはどのような物か、と問われればすぐに思い浮かぶやつだ。あれはこの寒冷紗が使われている。滑り止めともなる上に、これがまた何とも強度があるそうで。

 FRPでいう所のガラス繊維に当たるな。ん、FRPが分からないか。船体にも使われるような代物だ。後は自分で調べなさい。兎に角、漆と相まった布を侮ってはいけないようなのだ。

 

 遣り方は省略。二人がこのような事をする人間になっていれば、遣り方なんてのはすぐに分かるはずだ。これも自分で調べなさい。お父さんがこれについて書いたのは、道具を使える道具にするという事。それと、ふざけて漆刷毛に悪戯したとかではないという事。

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