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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

漆色の経年変化

 さて、漆実験での塗り方は、最上段から最下段に向かって塗り重ねて行っている。漆や柿渋を布につけて塗布し、それを拭き取り乾燥硬化をさせる。次の塗布箇所に、ザラつきを落とす程度に細目粒度の紙ヤスリを軽く掛けて固絞り雑巾で拭き取り。雑巾水の乾燥後、漆を塗布して直後に拭き取り。その繰り返し。最下段のほとんどは、漆の拭き取りを甘めにした。

 

 経年による色変化の結果は、二人は答えを知っているはず。なので不要な内容かと思うが、この当時のお父さんとお母さんの変化予想や色決定に際しての見立てを一応書いておこう。

 

 床漆の経年変化の写真は、たった一組しか見つけられなかった。その一組の参考写真のみが頼り。その写真の時間間隔は約四年で、室内には直射日光が結構入るお宅らしい。その違いはサンプル板にて艶は抜きの色だけで言うと、「鉋 MR MR MR」の四回目塗り程度が塗布直後。四年後は、「鉋 渋柿 MR MR」の四回目塗りより少し明るい程に見えた。

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 ちょっと驚く程の変化だ。さて困った。これは難しい、と言うよりも分からない。

 この色変化、漆の透明化は紫外線等の影響によるものらしい。この家は、漆仕上げかもしれない板床が暗色のままの神社仏閣程ではないにしろ、直射日光があまり入って来ないのは確認済。ならば、あまりにも暗過ぎるのもなぁ。

 

 しかし、明るいのも問題。好みの面もあるがそれだけではない。床板は特一等材なので節が多い事を覚悟しないといけない。

 節が多い材を床板だけではなく、目立つ位置の柱にも平気で使う家屋が見受けられる。全く持って良い、そういう家ならば。翻ってこの家は、無節や上小節ばかりの高級材使用の伝統構法家屋。バランスが悪いのだ。この家で床板だけがログハウスみたいになると、それはそれは酷い状態になるのは馬鹿でも分かる。その為、特一等の節をあまり目立たせない為にも暗色系にて考えているのだ。

 

 ところで、サンプル板のいくつかの塗布箇所にて、艶が全く出ていない所もあれば、白濁している所もある。これはお父さんの座学知識だと、恐らく結露した水による不良だと思う。しつこく書くが、時は三月でまだ寒い頃。そんな折に塗った材を、漆硬化の為に中温多湿にした空間に間が無く置いた事により結露したのではないか、と思う。色見本としては、その不良面ではない僅かな箇所を見て頂戴。

 

 さて、その白濁箇所の一つであり、漆文字が判読難しい「サンダ 生 生 MR MR」の四回目塗り。お父さんとお母さんはこれで行く事にした。

 かなりの黒色系だ。これは、急速硬化をさせたが故の面があると思う。よって、真っ当に硬化させられれば、という見立て。そこから「鉋 MR MR MR」の四回目塗り程度になればいいな、という希望。そもそも費用の問題からサンダー仕上げに寄せて行った、という計算。また、明るくなって後悔をするとしても暗いままだと後悔しにくいのでは、という予想。

 漆色の決定に伴い、床板材の仕様も決定。いざ発注。

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