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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

無様

 さて、出来上がった鉋掛け後の天板。全体を高速瞬きバチバチしながら一見だけすると美しい。やはり艶が全く違う。

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 しかし、普通に見ると全くそうではない。こう書かなくとも、実際に見ている二人もよく分かっているんだろな。そう、板を剥がしてしまっているような箇所が幾つもある。幾つもだ。数える気はない。

f:id:kaokudensyou:20160718194635j:plain←これはまだマシ

f:id:kaokudensyou:20160718194643j:plain←これはお手上げ

 

 鉋掛け開始後暫くは意気揚々。

 以前、古民家先輩とそのご友人に、酔っぱらっていた為に天板鉋掛け計画がある旨を話してしまった事がある。当時、既にお父さんは短尺側裏面の鉋掛けは経験済。一方、お二人は未経験のはず。その未経験者のお二人は、経験者のお父さんに対して「そんな大変な事、お前に出来るのかよ」と言わんばかりの引き反応。それぐらい、広い板へ鉋を掛けるという事は難しいイメージが強いと見て間違いない。

 それがどうだ。逆目であってもお構いなくのシュルリシュルリだ。そこらの巷の木工職や大工職よりも鉋の腕前は上かもしれない。少なくとも施主施工界では圧倒的な高みに昇ってしまったかもな。表面の荒取りだけ鉋掛けで、そういう想いを正直抱いた。

 

 そんな井の蛙的勘違いは凡そ2時間後に吹き飛ぶ。鉋が逆目に引っ掛かり始めたのだ。で、凹だ、えぐってしまったのだ。最初のその時瞬時に鉋掛けを後悔した。引き下がる事は出来ないので継続するとまたも。凄く微妙な刃の出調整を繰り返す。逆目は避けて木目に沿って削る。

 しかし、これは接ぎ板のタモ。木目がバラバラ。順目を進んでいってもその先に逆目が待ち構えていたりする。その都度、鉋の方向を変えて対応。とても真っ平らに削れているとは思えない。

 

 新調鉋でこれが起こり中学校鉋に持ち変える。暫くすると同じ状態。他の青紙鋼鉋に変えてみても同じ、いや、具合はより悪い。

 こんな状態なので、反り修正の粗削りはとても出来なかった。かなりえぐってしまうからだ。薄く薄くビビりながら、同じ箇所に数え切れない程鉋を通す。よって、非常に時間が掛かる。作業を終えてから刃を砥ぎ、鉋台も削り終了。翌日に持ち越し。

 

 作業再開。砥ぎ直した鉋はやはり意気揚々。しかし、暫くするとまた同じ。ん、待てよ、と刃先をよく観察。すると、刃が鈍ってるじゃないの。やられた。刃の鈍りが杉等の軟木と違って早く「永切れ」がしないのだ。くぅぅぅ、無念。

 この間、凡そ2時間弱。杉を2時間程度鉋掛けした事があるが、それに比べて明らかに刃先が鈍っている。いや、刃先が丸まって鈍っていると言うよりも、刃先角度が変わる程に砥がれたような感じだ。高級鉋の勉強中、「永切れ」という単語はよく目にした。結局、高級鉋とそうでない鉋の違いを強く実感する事がなく今に至るが、もしかしたらここにも違いがあるのかもしれない。

 

 それにしても、このような基本的な事に気が付かずに「高みに昇ったかも」とか思っていた自分が情けない。その後は、切れ味が落ちる度に砥ぐようにし、適宜鉋台にも気を配る。すると、板えぐりが無く鉋掛けが出来るようになる。順目も逆目も何でもござれ。

 その上で、えぐった所を無くすように鉋掛けをするも、複数のミリ単位の深い所は取れずに断念。削りカスは塵取りから溢れる量で二杯分。時間は二人工程も要す。

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 永切れ以外にも、作業途中で砥ぎ直すという文言を目にしていた。この必要性を痛感した事により、少なくとも本作業よりは短時間の上で綺麗な仕上げに出来ると思う、後二回ぐらいの経験を積めば。

 

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