家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

板平面化能力の獲得

 ピッタシピタゴラにより治具精度調整を施した。概略設計により板の最終形状も決定出来ている。当然、どこに桟を入れるのかも決定している。

 前回の短尺作業時、ホゾに桟を手で入れられる途中までの状態にての問題にも気が付いた。ホゾ巾に対して桟の先と元の巾に違いがあったのだ。元側はホゾに詰まった状態なのに先側は左右に動く。となると勾配があっていないはずであり、当時も度々勾配治具定規を疑い、事後の反省会でもイの一番に手を付けた。それはこの為。

 当初はこれに気が付かずに差し込んで、パイプクランプの破壊に至る程きつく入れてしまったり、だけども桟が途中までしか入らない事態になった。桟が手で3分の2まで入る上で、この巾確認を行えば問題に気が付くはず。

 

 このパイプクランプ破壊。パイプは曲がるわ、重要箇所の部材は何とか合金で1tも大丈夫とあったが破壊されるわで粗大ごみ化。日本製だったような気がするが一用途で終了。使い方が悪かったのだろうが、そこそこの値段だっただけにガッカリ。

 そこで買い直し。今度は、パイプがねじ切り式で重要箇所は鉄製の塊。設計企画等は日本企業のようで、製造委託先は北東アジアで日本以外では唯一の精神的真っ当レベル国でかつ工業技術水準への期待値も高い台湾製、だったような気がする。価格も何とか合金物より安価。けどもデザインが洗練されている。期待値が上がって仕方が無い、と複数本購入。

 

 まだある。天板の既存状態を平らにしてから作業を行う事に改めて挑む。

 反った板にホゾ穴を施すと、反ったものになるかもしれない。板を平面にする事はホゾ穴の基準ともなるはず。そう前回も思いながらも、お母さんに手で抑えてもらいながら定規にて平面確認、それをしながらの作業。まぁ、無謀な事をしたもんだ。予習をして挑む。今回のお父さんは違うぞ。

 

 板が反るのは、木が吸った含水により細胞が膨らんで、又は乾燥して細胞が縮んで起こると言う。板の反り直し方法として、凸面を上に向けておけば自重か何かで凸が緩んでくる、という話があった。一週間以上は観察していたもののこれは成らずで空振り。

 凸面側をビニールを掛ける等して吸水しないようにした上で、という事も記載があったがこれは省略。接ぎによる板の為か一様な凸ではなかった為と、湿度が一定していた為と、後は何だろう。単に面倒だったからかな。記憶にございません。

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 そこで実力行使もする。まずは重し。定規を見ながら平面確認をし、膨らんでいる所は重しを置く等してその場で強制。タモの巨大板だけに自重があるので、部分的な重し置きは結構容易に効いた。これが軽い板だったりすると却って手間取るかもしれない。

 そして水だ。水を材に含ませて凹凸をコントロールする事を試みる。凹んでいる面に水を含ませて膨張させるのだ。

 重しと水、これらによりお父さんは板の平面化能力を少しばかりは得た。基準が無かった左官壁に基準面を造る事よりも簡単だ。