家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

長短表裏一体

 おばあちゃんと直接会えた子孫の君達は、おばあちゃんの事をどう思うだろう。きっと良いおばあちゃんという印象を持っているのではなかろうか。それ故に、おじいちゃんは何をボヤいてたのだろうかとも思うかもしれない。孫からするとそれで良いと思う。そして、このままソッとしておく事が平和とは思う。

 ただ、家探しから語るにおばあちゃんのその他の面がかなり大きく影響して来たし、今現在もしている。きっと今後もだ。これらは今まで触り程度しか書いて来なかった。おばあちゃんがこれを読んでしまうとさぞ気を悪くするだろうが、ここは掘り下げておばあちゃんの人となりを書いてみようと思う。

 

 おばあちゃんは、雑で、いい加減で、ケチンボで、適当で、だけど他者には厳しい見方をする人だ。悪口に聞こえるだろうか。これは見る角度による。おじいちゃんは若い時、周囲の人達に中てられて自分の性格や考え方で自己否定に苛まれていた事がある。数年間はその状態で、生きるのがしんどくて無気力感も強く辛かった。

 しかし、「長短は表裏一体だ」とある日ふと気が付いた。そこから自分を過剰に否定する事も無くなり、以前よりも他者を客観視するようになった。

 

 おばあちゃんの雑さ等は、違う角度から見ればおおらかさでもある。きっちりした人だったら、住みながらの施主施工などに耐えられなかったかもしれない。ケチンボにしても、高額消費財の買い物をしないとも言う。でも、節約家と言わないのは、安物買いの銭失いが多々あるからだ。販売者が設定した価格に振り回されていたりする事が多い。物の価値は金額でしか判断出来ない女性だ。

 

 また、おばあちゃんは独身時代から今現在も医薬品業界の前線でバリバリ働いている。そういう業界にいながら、風邪をひくと抗生物質を服用していた。幼ききょうこが発熱すると、すぐさま解熱剤を飲ませてしまう。風邪は細菌ではなくウイルスによるものだ。風邪を治すのは基本的に自己治癒力。風邪薬なんて日本でしか製造販売されていないと聞いた事がある。その治癒力発揮中の発熱なのにすぐさま抑え込んでしまう。おじいちゃんは薬を飲まない。自己治癒力ではどうにもならない時に薬が効く身体にしておく為だ。

 そんなおじいちゃんは何故かおばあちゃんに医薬品等の事を教える。医者であろうが大工であろうが、「専門家だ玄人だ、なんて崇めてみても所詮はその人に依るわ」と業界人のおばあちゃんから反対に教わった。

 

 これら総じて、おばあちゃんはお茶目な人とも見る事が出来る、かもしれない。