家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

馬鹿のハサミの使いよう

 そんなこんなでお父さんは電気機械を購入する際、壊れたり買い替えたり修理したりを踏まえるように意識をしている。

 

 電動工具においても同じ。家電等と比較する事自体は間違いだが、電動工具が良いのは完全物理的機械物がまだまだ健在。コンピューター制御という物が主流になりそう、若しくはなっているのかもしれない。しかし、少なくともお父さんが所有する電動工具にはそういう物が無い。バッテリー電動工具は例外としてコンピューター制御品は避けたのだ。電源とスイッチに配線されたモーターがあって、その動力を伝える歯車やベアリングやベルトやカム等がある。分かり良い。壊れにくい。壊れても直しやすい。

 

 以前、母屋一階天井荒板をベルトサンダーで削っている時に動かなくなってしまった。モーター音は唸るがローラーが動かない。となると何かが挟まっているのか、何かが外れたのかと分解。案の定、何かが挟まっていただけの簡単な事。ただ、お父さんの昭和人として機械に挑む心持ちは健在だと自己確認。まぁ、現場機械で重機とかよほどの物でない限り、平成育ちの方でも簡単な修理は出来る使い手は多いと思うけど。

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 左官施工が落ち着き次の施工の合間に、この機械面で気になっていた事をやる事にした。その一つ、本施工において新調した丸鋸のブレーキの甘さ。

 手元スイッチを離した途端に刃の回転を止めて事故を防ぐ、というのがブレーキ機構。数年前の施主施工にて購入した家庭用丸鋸はロックが掛かったようにほぼ瞬時に止まる。だが、新調本職用丸鋸ではABSでも効いているのかと思うぐらい惰性回転をする。初期不良品かと思ったが、附属刃が無い分安かったので購入したのに刃が付いて送られて来たので、何となくクレームを出さずに使用していたのだ。

 

 昭和人としてこの対策を自ら行ってみようと思った次第。しかしそこは平成の世。自転車で片道数十分を掛けて図書館に行ったのに、お目当ての調べものが解決せずに帰宅。そのような昭和的な事まではせずインターネットの恩恵を感じながら調べてみる。原因は、スイッチの接触不良の可能性があるとの事。電動工具店らしき方の記述によるとこの要因割合が90%以上だと。本職の見解を家に居ながら得られるインターネット、この有難さは平成育ち者には分からんだろうな。

 

 で、本体分解。スイッチ部品も分解。この分解時、バネが飛び出る事があるので気を付けろ、とこれまた有難いご助言。だけど飛び出させてしまった。助言を得られる事と、それを忠実に実行出来るかは別問題。数十分探して発見。よくぞ見つけた。思わず記念撮影。

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 で、確認。確かに接触不良っぽい跡がある。これを削り落とし、仮組立ての上で試験稼働。

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 変化無し。むしろ、回転惰性が長くなったような気がする。そしてもう一度分解、と複数回繰り返す。

 おかしい。お父さんに出来る事はもう何も無い、インターネットの再検索以外は。で新たな事柄。カーボンブラシという消耗部品があって、これはモーターに触れて擦り減っていく。接触面は円筒形状のモーターに合った弧形状になっていて面接触をしている。なので、再組立て時に同じ向きにしないと面接触をせず接触不良になるよ、との事。実際、試験稼働を経て新たな擦り減り方をしてしまっている。元の向きは分からず、そもそももう遅い。

 

 さらに根本的で衝撃的な内容を発見。今時の丸鋸のブレーキは、機械を守る為に少し惰性回転をさせる仕様になっている、との事。不良品や不具合では無かった、かもしれない。あぁ、愕然。

 不具合に違いない、との思い込みでそこまで調べなかった。インターネットという便利な道具があっても使いこなせるかはその人間次第だ、と思う事幾万回目。インターネットのお陰で、未知なる事に挑みやすくなったと思う。本施工はその最たるもの。一方で、知見を中途半端に得る事で失敗するという事も増えたと思う。

 

 この分解工程により、不良部品になったカーボンブラシとそのキャップをインターネットで注文。2時間程度と500円ばかりを無駄にする始末。