家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

半自動疑似雨曝しシステム

 という事で改めて検索。黒カビかと思った際に調べたものの、発想が無かった灰汁では調べていなかった。すると、お父さんが思い描いたいたものが複数見つける。正に、化粧床柱を造る工程が紹介されていた。やはり天日晒しの風雨晒しにするのだ。数週間それを行った後にようやく材を屋内へ移動させて数ヶ月、と。

 あぁ、やってしまった。こういう事が多々ある。言葉を知っていない途端に便利な道具も役に立てられない。亜麻仁油なんて塗る必要が無かった。いや、雨曝しの為には塗っていけなかったかもしれない。乾燥開始から半年近く。灰汁が黒くなって出てきている。もう遅いんじゃなかろうか。

 

 ただ、木の灰汁とはどうも糖類らしい。糖類ならば水溶性ではなかろうか。今からでも溶け流れてくれないだろうか。もし上手く行かずただの天日晒しになり、薪のように割れや変色をしたらどうか。う~ん、構わないかも。味ではなく不細工になったら、それこそ塗装か製材してやろう。新たに買い直しは辛い。手間暇もさらに要する上、大きな杉材ばかりが増えていく。それはもう結構で、よし決行。

 

 作戦名は「強制雨曝し」。

 灰汁抜きが成功してもそこから乾燥を長期間要す。大径木なのでこの期間は本来は年単位だろうな。木に含まれる水分は、外気影響等により自由に出入りする物と、木の細胞自体が抱える物がある。後者はいくら乾燥させても無くならない。今までの乾燥において、ようやく表層部の白身が乾いて来ていた程度かも。何にせよさらなる乾燥を要するので、灰汁抜き雨曝しは少しでも早期に終えたい。また、天日晒しは急激な乾燥を起こして割れを誘発する。それらから、屋根が無い屋外で放置するのは避け、軒先にて水道水を掛け続けるのだ。

 

 まずは材を移動。ここまでは台車で何とか出来る。

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 問題は立て起こす事。何故起こすのか。知らない。外部木材は縦置きすると腐るような文言を見たような気がする。しかし、化粧床柱作りの工程でそうしていたからそれを真似る。

 お父さんの想像は、立てる事で雨水を導管に通しやすくして灰汁抜きをする。かと思いきや、木に水を新たに吸わさないようにすると書いている。その方法は、木の末口を地面側にした上に、末口側が地面に触れて水を吸わないように、また少しでも水が流れやすいように垂直ではなく斜め掛けする、との事。木は元口から水を吸うんではなかろうか。そう思ったものの、複数で天地逆に斜めに立てかけるとの記述がある。ここも先人の知恵に素直に従おう。

 

 と言って、立てかけるだなんてまたもや腰をいわす事が目に見えている。そんな時は軽トラクレーン出動。買って良かった軽トラクレーン。据えて良かった軽トラクレーン。

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 後は、高性能ホースアタッチメントを木に固定。水量調整、角度調整して疑似降雨環境。灰汁落としと亜麻仁油削りを目論んで、表面をタワシで擦りながらこれを数週間は続けてみよう。

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