家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

夜明け前の我流

<「堅固さ」方法:『我流』>

 「堅固さ」を意識していないけども、比較の為にお父さんの方法についても記載する。この方法は、ほぼ左官知識が無い中で、それまでの悪戦苦闘や試行錯誤の末に辿り着いた真の我流。これについても、後述するが一部変更変化するのでそのまま真似する事は勧めない。

 

(1)鏝返しでの材の量

 鏝巾より若干少ない程度、探検流の倍近い程度の量を鏝返す。

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 当初はここまで多く無く、探検流に近かった。変化したのは、次項で触れる塗付速度向上目的と、鏝圧を掛けた際の鏝が反る事の防止の一環。鏝全体で圧を掛けたいが為、全体に材を乗せるようになった。

             

(2)塗付(壁際左側からの場合)

 半間壁の場合は壁全体を八分割見立てをし、左側最上部区分から塗付開始。本区分の下から上に向けて、区分全域に材を押付けながら塗付けて行く。塗付た材の際は、極力鏝で下地壁に擦り付けて密着性に期待する。

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 押付け(鏝圧)加減は、材が目標厚よりも少し厚くなる程度に。これは、目標厚よりも少ない事で材追加手間、多い場合は削ぎ落し手間を極力減らす為。この手間省略目的は、塗付速度向上による面出し調整時間の確保。お父さんなりに面出しを意識してみての事。

 壁際へ塗付ける際は、材の量調整の上で鏝先や縁にて押し付ける。鏝先使用の場合、鏝が反り曲がらない様に圧はあまり掛けていない。

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(3)基準出し

 前述の「基準の壁際移し」を、壁際左側、及び同上側に施し始める。これと並行して、塗付区分全域の簡易的均しも開始。この簡易的均しも、基準を意識して行う。

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(4)面出しと均し

 「基準の壁際移し」完了後に行う、前述の「基準の面化」に移行。並行して塗付区分全域の均しも本格化。「基準の面化」完了後、区分全域も基準の面化を施す。

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 最後に均して斑取り。そして、この八分割左側最上部区分域が終了後、同右側最上部区分域に移行。左右反転にて同じ作業を施す。左右両区分域の面出しが終了後、定規チェックを行い面出し調整を施し、軽く圧を掛けながら壁を撫でて均す。完了後、下段区分域を同様に左右に分けて施していく。