家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

本職先生から探検さんを介して、お父さんなりに解釈した方法

<「堅固さ」方法:『探検流』>

 左官教室生である探検さんによる左官教室が本現場にて開催、塗り方をご披露頂いた。何も「こうしなさい」とお父さんへの指導の意味合いではなく、見せ合いっこ会。しかし、一人で塗り方を試行錯誤していたお父さんには、他者の方の方法を見られた事は刺激的。これは我流を検証するチャンスであり、二人にか中塗り施主施工する子孫にも参考に残してあげたいと記載する。

 

 但しだ。

 その時のお父さんなりに勝手解釈した内容。写真被写体もお父さん自身という具合。この後に続く話の前提の物であって、そのまま真似せよという意味合いではないんだから正確さは別に構わんさ。

 でも、探検さんにしたら気が悪いか気持ち悪いかもしれないな。とお伺いを立てると案の定の添削発生。その上ででも仔細は直せない。左官の技術を、素人が一回見ただけと文字のやりとりだけで理解はし切れない。舐めちゃぁイカン。それを踏まえて、大体な感じとしての掲載のご了承を頂いた。なので、下記内容をそのまま真似て上手く行かなくともお父さんは知らない。探検さんに文句を言ってもお門違い。施工は自己責任。

 そういう事で以下内容は「本職先生から探検さんを介して、お父さんなりに解釈した方法」が正確。なのだが、省略してこれを「探検流」と称させて頂く。

 

 

(1)鏝返し(材を鏝板から鏝に取る事)での材の量

 鏝巾の半分程度。

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(2)塗付開始(壁際左側からの場合)

 壁際にて鏝を「左から右」に動かしながら、材を壁にしっかり押し付ける。

鏝を「左から右」。これは左官の指南的文章ではまず間違いなく書かれているような内容。しかし、探検流ではここからが違った。右に動かした鏝をそのまま左に戻す。戻す目標位置は、壁際左側の基準へ。

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(3)基準取り

 壁際左側を上部からある程度塗って、次に壁際上側や同右側も同様に。上側においても、「左から右、取って返しての左」という具合。右側までの実演は無しだったが、この場合は恐らく「右から左、取って返しての右」だと思われる。壁際左側のある程度とは、ざっくりで壁高さ半分程度か。

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 探検さん後日談として、上記の縦コの字型塗りは先生に依るもので、一気に塗る方もおられるとの事。

 

(4)本塗付

 周囲を決めた後、中央部を塗付けて行く。この際も、鏝の動きは同じく「取って返し」がある。ここでの取って返しの際の目標位置は、既に塗付けた材の面に向けてだ。ここでもしっかり押し付けて、既塗付材と新塗付材を一体化させる。これを延々と続ける。鏝は左右常に動かしているような状態であり、ひいては、材を常に動かしているような状態。これは、先生からの教えだとの事。

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(5)均し

 塗付が終わった面に対して、鏝を左際から右際まで通して行く。右際に到達した鏝は、ここでも取って返して左に適度に戻す。そして、定規チェックを行いつつ全体的に斑を取り完成。

 

 

 さすがは左官教室で修行されてご自宅現場にて実践されていた探検さん。久しぶりの左官だとおっしゃっていたものの、探検流により面出しが出来ている塗りをご披露して下さった。ただ、お父さんは面出しが出来ている事よりも目から鱗な事があった。この事から「探検流」を、「面出し」ではなく「堅固さ」のカテゴリーにて記載した。それは後述。

 

 ちなみに、お父さんの鏝板の向きは反対っぽい。鏝板の角が斜めの箇所は、壁に極力当たらないようにされた加工であると解釈していたのだ。鏝板持ち方向さえ知らない、そんなお父さん。ただ、ひっくり返した途端に壁に当たる。壁が凹んでお父さんも凹む。癖だろうか。

 絶対そうしなさい、とは探検さんはおっしゃっていなかったので、数日で反対持ちに戻した次第。