家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

家屋伝承:長寿命資産は営みを支えてくれる

 自分の事も子の事も、その他も色々将来分からない。家屋を引き継いだ子供が会社員になるのか、叔父さんのような目標を掲げるのか。いずれにしても、現物としてか金銭としてかは関わらず、誰でも苦が少なく良質な住居の確保が長く出来る可能性がある。

 言い換えると、日本全体か個人か関わらず、経済環境が厳しくなっていてもその負担を和らげる事に寄与が出来る。同じく多額の遺産金や稼業等を継ぐよりも、この家屋を伝承させていく事は容易ではなかろうか。

 

 きょうこかりょうすけ、どちらかは引き継ぎたくても引き継げなくなる。売却して遺産分割等は言語道断。一時のお金も大事だが、我が子か我が兄弟の子の資産でもある事を心得よ。遺言書等の法的拘束力で短絡的愚行をさせないように試みるかもしれないが、その意図は分かっておいて欲しい。

 

 そして、これも改めて書く。引き継がない方になった子には、もし可能であればこのような継いでいける家を考えてみてはどうだろうか。

  そうは言っても、お父さんが探していた時には状態も立地も悪くない上での、本物の伝統構法家屋は見当たらなかった。これは運なのか。 

 

 今までの家探しで出会った方々やこのような家ばかりのご近所さんのお話からすると、大っぴらに売りに出さない方が結構おられるように思う。ご近所の手前、先祖代々、色々な価値観やお考えがあるだろう。

 しかし、体面維持や執着をされているのは、地元で住み続ける現所有者のお父さんの親世代の方々で終わりかもしれない。そこから離れて長くなるお父さん世代に所有権が移ると、いよいよ手放すという方は結構多くおられるか。二人が大人になった頃、立地や条件が悪くない伝統構法家屋が今よりも見付けやすくなっているかもしれない。

 

 それに、何も伝統構法に固執せずともそれなりに長寿命の在来工法家屋建築は可能になっているかもしれない。それで良いかもしれない。いずれにしても、住居にどうせ数千万円も掛けるぐらいなら、他人を喜ばせる為に大金を払うぐらいなら、費用対効果が高いものにした方が良いはずだ。

 

 駄目だな、長々と書いてしまった。書きたい事が多くて手が止まらん。書き連らね過ぎて、或いはそれ以前に内容が平易過ぎてかで、もしかして二人にはピンと来ないかもしれない。もし二人に子供がいない時にピンと来なければ、結論はまだ出してはいけない。子供を授かってからゆっくり考えても間に合うはずだ。

 

 きょうこにはそれでもピンと来ないかもしれない。子供を通して将来を見ようとするしないは男女の差がある。男女差別とか下らん話ではなく、生物としての差だ。ただ、お父さんは子を授かった事で、人の性格は先天性の部分があるのではないかと思うようになった。そういう意味では、お母さん似かもしれないりょうすけよりも、お父さん似かもしれないきょうこの方がピンと来るかもしれない。

 幼い二人がどういう考えを持つ人間になっていくか。色々とまだまだ分からない事だらけだ。この手記だけに頼らず、直接二人にはこれから語り掛けていきたいと思う。