家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

既存材の継続使用と解体材の活用

 炉壁が出来た事で基準が出来た。何基準か。炉床の大きさの基準。

 という事で、腰の痛さが和らいだ事もあり残りの捨て床貼をする。炉壁側捨て床板は貼ってものの、炉壁反対側の同板はどこまでの寸法が必要か確定出来なかった為に後回しにしていた。

 

 この板端部は、既存大引兼根太を切り欠いてその箇所に載せて留める。これがちょいと難儀。既存大引兼根太は、角材では無く当然の太鼓材。上から刃を入れるのは丸鋸で可能。腰が痛くなる前にここまでは行っていた。

 次。他の根太レベルに合わせ、太鼓材の横側である丸太部分に刃を入れないといけない。凸凹しているわ、横向きだわ、で丸鋸は不可。良案なく、鑿で部分挽割りや削り落としをしつつ、際鉋やベルトサンダーで面を出していく。この作業だけで2、3時間だっただろうか。

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 これが終われば捨て床貼。これは簡単。ただ、材が無い。探検さんの捨て床板は有るが取って置きたい、なので無い。新たに板剥がし。そして寸法切り。解体材の再使用、これが施工時間のそれなりの割合を占めている。この一連の作業時間だけで言うと2倍強になっている。さすがに考えてしまうが、何はともあれ炉床のステージが完成。

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 続いて多角形の枠作り。これも天井廻縁の解体材で造る。これはスギ。炉床からフローリングへの上がり框となるような材。なので、スギのような軟材ではなく、ケヤキのような硬材が良いような気もする。けど、そんなもんは無い。フローリングと同材だし、と論点を変えて施工続行。

 

 多角形枠の造り方。これに色々悩む。まずは、現寸優先か図寸優先か。

 

 敷瓦という寸法がほぼ決まっている物が仕上げ材となる。

 一方、枠形状は多角形。単純な矩形なら角は90度。よって、材の端部を45度にカットすれば良い。と思いきや、以前の施主施工でこれをやると角が透いてしまった。鋭角か鈍角かを忘れてしまったが、微妙にどちらかにしないとビシッと収まらない。今回の多角形枠の角は45度。材の端部角度は22.5度。これを微妙に調整して、とは気が重い。もう分からん、と図寸優先にしてみる。

 また、使用可能な解体材の流用という事で材の高さはバラバラ。しかし、周囲床と兼ね合う枠天端は揃えないといけない。そこで、天地逆にしての枠作りをしてみる。

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 結果は、悩んだのが馬鹿らしい出来栄え。

 角度通りに切って枠材を組むも、炉壁基準墨とは合わず。角度を測るとさほど間違っていない。どうも基準墨が怪しい。しかし、間違っている点を見つけられない。枠材も余裕なしでこのまま強行施工せざるを得ない状況。よって、図寸優先から現寸、現況、材料優先に変更。枠材の再調整再加工。後の敷瓦敷設時にも調整が必要になるだろう。

 天地逆方法は効果が特段分からず。細い枠材を壊さずひっくり返す手間を考えるとマイナス。

 

 徒労に終わる。この言葉の地を行ったような所要時間は1人工弱か。枠角の接合方法は、ビスと接着剤によるイモ留め。複数種ある角の仕口を一切せずの1人工弱。調整に時間が取られ過ぎ。素人施主施工ではこういう事が間々ある、と自分を慰める。

 ところで、既存材の継続使用は改修工事としては当然。ただ、製材精度や太鼓材に苦戦。解体材についても思い通りの加工が困難、その分の調整作業に手間取る。造作工程が出てきた段階に至っても、造作材購入を行わない事の難儀さをようやく痛感し始めた。