家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

炉台炉壁計画:無垢板にモルタル

 何をするにしても段取りやら計画やらが大事だ、と思うようになって幾数年。なのに、計画不足の手戻り仕事。繰り返さない為にも炉台炉壁各部の納まり等も考えておく事にする。

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 それにしても、今まで解体やら穴掘りやらしてからの設計作業。脳内スイッチの切替負担は変わらず繰り返し。

 古民家大規模改修工事を施主施工でされている古民家先輩。平日関わらず設計や施工の事を考えたり行ったりと、四六時中ダラダラと家の事をしているお父さんとは違う。平日は宮仕え、週末に施工。平日ご帰宅後に設計や施工計画や段取り検討等に集中。週末は施工に集中。スイッチ劣化があまりなく、却って効率的かもしれないな、と想像していた。

 が、実際そうでもないとの事。平日のお仕事と週末の施主施工のふり幅が大きく、心機一転的にだとか平日のストレス解消だとかそんな甘くは無いらしい。どちら様の施主施工も大変なんだな。まぁ、何百万、何千万と浮かそうと思っての事だから仕方がないか、寧ろお父さんは施主施工環境が良い方だ、と古民家先輩の言を聞きながら自分を慰め。

 

 それはそうと、敷瓦厚は17㎜で捨て床厚は大体で15㎜。残りは何が必要か。

 

 まずは、敷瓦の接着材。結論はモルタル。タイル接着剤としてよくある樹脂系の接着剤も考えた。数十年後に接着力が落ち、敷瓦がガタガタパカパカしても構わない。場所と材料と方法からして補修が容易だから。

 気になったのは二点。樹脂系接着剤だと多少の弾性があるのではないか。重量物が載るのでその箇所が凹んだりしないのかどうかが判然としなかった。もう一つは、長時間の熱による接着力低下。この有無もイマイチ判然としない。いくら接着力が落ちても構わないと言っても、たかが数年でだと面倒。という事で無難にモルタルとしてみた。

 

 接着材に関しては大別して前出の二つ。難しい事も悩む事もあまり無い二択。しかし、このモルタルを直接板に施すのか否かについては大いに悩む。

 どこの接着材製造元もタイル施工者もダメだと言う。モルタル硬化中板に水が吸われる。さすれば硬化に必要な水が減り不良となるから、らしい。この対応として吸水防止材が一般的に使用される。しかし、これを塗る下地として板が想定されてなかったりする。そもそも、動く板に動かないモルタルを塗っちゃうと割れちゃう恐れがある。

 

 無垢板にモルタル。うっかり盲点だった。接着材だけの問題だけではない。床仕上材と捨て板との伝熱距離の近さが見直しを始めたきっかけ。この解として、捨て板である無垢板と接着材の間にモルタルを、と考えていたからだ。