家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

炉台炉壁計画:大引構造帯

 炉台床厚を増やす。この回避方法は無いものか。

 床厚を増やす=根太を下げると何かと方法はあるだろうが、これは最終手段。と言うのも、炉台の東西方向中央に太い材が入っていて、これが根太兼大引なのだ。しかも、釘打ちで止められているのではなく、周囲の大引や柱と蟻ホゾ等仕口で緊結されている。言い換えると、構造材を補う羽柄材の根太ではなく、構造材そのものだ。これは安易に切断移設が出来んぞ。

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 そう、お父さんは見落としていた。伝統構法において水平レベルの重要構造材として、梁と差鴨居のみと思っていた。よくよく考えると大引も水平構造材だよ。

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 それにしても、床レベルを下げようと提案したおじいちゃん建築士は、ここまで考えていたのか不思議でならん。予算次第では前向きに、と回答したお父さん。床周りの柱との取り合い対応で人工=予算が取られる、と床下げ案は却下したがそれ以前に構造上どうなのよ。よくもまぁ予算内には出来るとおっしゃったものだ。楽観を通り越して無謀だわ、と楽観的に無謀な工事をするお父さんにさえそう思わせるおじいちゃん建築士は強者だ。

 

 あれこれ考えてみた。

 床仕上材の強度が薪ストーブに耐えられる程度は要る。石だとしても、やはり9㎜厚は無いと根拠は無いが不安。

 床捨て板も同じく。木板ではなく合板だと15㎜以下でも構わないだろう。しかし、合板床等あり得ない。以前にも述べた通り、床捨て板という目には見えずに後からやり直す事が費用も労力もかなり必要な所に合板採用などは、長寿命住宅を自ら短寿命住宅化に邁進する事と同意。こんな事は愚行で狂気で馬鹿以外の何者でもない。

 

 となると残り6㎜の内、5㎜の断熱材を間に敷いて、残りは床仕上材用の接着剤。自然素材原理主義者ではないので、接着剤使用自体は特段気にしない。気にしているのはメンテナンス、それと同義語の家屋寿命。接着剤の寿命が尽きたりして床仕上材がパカパカ浮きだしても、容易に手直しが出来るので構わんのだ。

 ただ、1㎜厚の接着剤で能力を発揮出来るのだろうか。そもそも、床捨て板は全て均一15㎜厚ではない。きっと床捨て板である木板の凸凹が床仕上げにも出てくるだろう。