家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

炉台炉壁計画:図面不足

 吊柱化施工の次は何をするか。大きな薪ストーブ本体が現場の中心で鎮座している。これを移動させた方が何かと他作業がしやすくなるだろう。吊柱化施工途中で仏間辺りの床は解体した。このまま薪ストーブの炉台と炉壁施工に突入だ。

 

 さぁ、床解体により露わになった床組補強するぞ。束石動かし束を補強。根太を追加してからの大引追加。それを支持する添え束柱を設置、という所でふと止まる。これでいいのか、炉台施工。

 

 お父さんの知識が偏っていたり古くなったりしていなければ、建物設計にはまずラフプラン、概要図等のスケッチかそれに毛の生えた程度のような物があったりする。が、設計図としては「基本設計」というのが最初にある。平面図、立面図、断面図等だ。

 これが発注者の承認を受けると「実施設計」という段階に移る。平面図等に加え、建物本体以外の建具やら電気やらの建物に附随する物の詳細図類、それらの仕様を記した表等が加わる。これらまとめて設計図書だ。

 その図書内容に基づいてこんな施工をしますよ、と施工者が「施工図」を作成し発注者と元請に提出する。何百年経っても設計図書が紙ベースでも作成保管されるのならば、多分これは変わらず続いていくんじゃなかろうか。

 

 施工図まで作成されるのは規模がある建物で、庶民の新築戸建だとお父さんの知る限りだとそこまで至らない。良くて実施設計レベル、一般的には確か建築確認申請に添付される図面レベルだったんじゃないかな。建築確認を要しないような改修工事だと基本設計レベル。後は、施工に応じた詳細図が作成されたりもするが、それさえも無い事が間々あると思う。

 

 本工事の設計は、主として3Dソフトを用いて行っていてそれなりの詳細さで現況を再現している。

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 しかし、改修設計図としてはラフプランレベルだ。しかも、おじいちゃん建築士の声が色濃く残っている所もある段階。解体や施工に応じて修正や補正を軽く行ってきた。しかし、とうとう本格的な造作工事になってきた。少なくとも施工者お父さんは、ラフプランや軽い加筆では間に合わない。あちらを立てればこちらが立たずが噴出してきた。炉台施工においてのそれは図面名で言うなら「炉台床断面詳細図」。

 

 炉台、並びにリビング床は同レベルとする、という案だった。薪ストーブを設置するにあたりこれを良案だとする方が多いと見受けられたからだ。

 特に後付けの場合に多いのは、周囲床レベルよりも炉台が高くなっている事例。既存の床をそのままとした状態で、その床上に炉台が設置されるお手軽安価施工。これは使い勝手としては、灰や薪ゴミが周囲床に広がるという事で妥協策扱いのようだ。納得。ならば、と同レベル案を採用。

 

 脳内図面では、既存の根太レベルを基準として、炉台に一部追加する根太も同基準とする事を考えていた。これにより炉台床厚は、リビング床材厚30㎜と同じとする。炉台床材は石板を想定。これを9㎜~12㎜とし、支持材となる捨て板は既存厚15㎜前後。残り3㎜~6㎜程が石板接着剤となるモルタル厚。

 これを頭に入れて施工を開始したものの、石とモルタル合せて15㎜がその下の板の断熱材となるのだろうかと施工中に疑問が湧く。購入したドブレは直下熱が大きくならないような文言を見た事がある。低温発火を誘引する温度までにはならないと思われる。しかし、しかしだ。石とモルタルって断熱と言うよりも蓄熱材だべ。誘引温度以下を何時間浴び続けようが問題ないようにも思うし、問題あるように思う。

 

 クリアランスが15㎜ぽっち。脳内図面では納得解を見つけられそうにない。既に1人工程施工済だが仕方がないなぁ。という事でまたもや施工中断、実施設計並びに施工図作成に舵を切る。