家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

心技一体

 そもそも柱を実質抜いてしまうような行為はどうなのか。これは問題無いと断定している。

 吊柱化する柱は、二階床丸梁を支持する曲がり梁を支持する位置にある。柱側にホゾ、梁側にホゾ穴を設けて差し込まれていると推測される。この曲がり梁は当該柱を含めて4点で支持されている。当該柱は中間2点の内の1点。端部でも無ければ他に3支持点がある。なので十分支持され続ける。

 

 さて、梁の支持材としては無視出来るとしても、小壁等の支持についてはどうなっているか。

 当該柱が支持しているのは小壁二枚。過去の土壁解体からして、それぞれは下端見切り材含めて推定100kg強と70kg強。足して170kg以上。この重量は当該柱のみで支持していたわけではない。それぞれの反対側にも柱等がある。単純に割ると85kg以上。推定重量に大きな誤差があったとしても100kgぐらいかな。むむむ、大した事ないじゃない。

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 これは平時の場合であって、地震が来た際の「地震荷重」を考慮すると変わってくるはず。これがまた何とも分からない。ただ、元が100kgならばやはり大したことがないだろう。たかが100kg。

 

 と言ってされども100kg。ましてや750mm先の荷重となると一体いかほどか。やはり片持ち梁的な事はやめよう。そこで複数案を没した最終案は吊柱を直吊りする案。我ながら名案。

 ただ、直吊りと言ってもその方法がまた悩ませる。大工さん、いや、その上を行く真の大工職人の方なら色々引き出しをお持ちだろうが、如何せん素人無知のお父さん。ちょっと変わった事を「伝統構法に沿う」事に主眼を置くとすぐに壁にぶち当たる。新築ならまだしも「既存改修」。しかも「現し箇所」。この三点で思考が止まる。伝統構法家屋施主施工の上で全面改修工事。思いの外、心技一体を要すよね。