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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

荒壁完成

施工:母屋土壁

 構想約一年半、土の仕込みから約一年。水気の感じが良くなった頃、本当に夢でも見た荒壁塗を実施。

 

 このキッチン新設壁の土壁箇所の外側は板貼、内側はキッチン台となる。土壁自体は見えなくなるのだ。そもそも無かった箇所でもあり土壁にせずともよかった。敢えて土壁にするのは、荒土保管の要素が大きい。安ビニール製の土嚢袋にてどこかに保管しておくよりは、土壁そのものとして保管しようと考えた。恐らく8袋分にはなるのではないかな。そういう訳なのでもし将来、土嚢袋保管分の荒土が足りずどうしようもないという事態があれば、ここから採る事を一考してはどうか。

 

 さて、見えない壁という事もあり、お父さんだけでなくお母さんも塗る。水を含んだ重たい土。ちょっと力仕事だがお母さんでも出来る作業だった。綺麗に平らに塗る、となると勝手は違う。お母さんは得意ではない分野だ。そう言うお父さんも、そこまで上手いわけではない。

 以前、モルタルで壁塗りした事がある。既存コンクリ壁の凸凹を直す為。当時のお父さんは、平均塗り厚が20㎜程もあるのに一度で塗り上げようとして、それはそれは汚い仕上がりになった経験がある。大間違いだ。土壁に限らず、複数回に分けて綺麗な仕上げに向けて塗りを重ねていかなければいけない。これは本職でもそうだ。

 

 そんな当たり前の事も知らなかったお父さん。その失敗で左官仕事は苦手意識がある。この家の施工では理論武装はした。古民家先輩現場での実地練習もした。そして、この荒壁は見えない下地だが、練習と捉えて平らに塗るように心掛けた。

 そもそも、下地と言っても仕上がりを意識して綺麗に塗るべきだろう。これは左官に限った事ではないが、下地が荒いと次工程で手間が増える。もしそれが仕上げだったりしたら、とんでもなく大変だったりする。お父さん自体、これには泣かされた事が幾度もある。

 

 この荒壁の塗り方、理論武装を試みたが複数の方法があるようだ。どれが正解か分からない。どれも正解なのかもしれない。お父さんが採った方法は、一番簡単な方法で、「とにかく一面全部塗る」だ。貫の箇所は厚みが少ない事により塗り土が剥離しないように別工程で、との指南文言があった。しかし、この家の既存土壁はそうされていない。並級施工と思う複数理由の一つだが、それで問題ないようなのでこれで行った。

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 共通事項で絶対なのは、竹木舞に引っ掛けるように塗り押し付ける事。最初の一面の裏に荒土を、竹木舞からはみ出させる。そのはみ出た土を、乾く前に鏝で竹木舞に引っ掛かるように撫でるのだ。

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 その後しばしして、裏面も塗る。この「しばし」も複数論がある。一番長い期間は、表面が完全に乾き切ってから。一番短い期間は、表面がまだまだ湿っている内に。お父さんは翌日に塗った。表面から出た荒土との一体性が得られ、その方が良いのではと考えたからだ。

 

 これにて荒壁は完成。竹木舞完成時も「壁感」があって感無量だったが、それ以上だ。ようやく本物の壁を一から造った。土の準備から、表裏塗り、最後の鏝跡付けまでで一人工ちょっとだったと思う。

 

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