酷暑の中で刻みまくり
そしていよいよ仕口。加工位置が決まっていてなおかつ難しい方の足元から。ここはややこしい。
まず柱が建つ床梁は丸太。柱と梁の接触面が平面ではなく一部円形。これが階段側なので見えてしまう。丸梁から柱が浮いているような修めは不細工過ぎる。という事で丸梁に沿った出っ張りを設ける。
そして階段と反対側は一階天井板兼二階捨て床板がある。この板は、柱と同じ床梁に乗る。その板分を切り欠いとかないといけない。
最後は当然ながらのホゾ。加工難易度を下げる為に雇いホゾにした。このホゾは、他の柱と同じく丸床梁に差し込んで柱が動かないようにする為のものだ。
ただ、このホゾは短く横ズレ対応程度だろうか。家が動いた時の事を考えると、柱抜け対応としてもっとホゾを長くしとくべきだったかもしれない。
次に小屋梁と密着させる所。
腕木、と言うよりも木材の中を通すので「雇い実」が適切な名称かな。これを通す穴を開け、パッキン材である角材に応じて穴も掘り。この穴、意外に掘りにくい。浅いからと舐めていた。寸法に狂いが出るので極力平面に、と思っても鑿で広い浅穴で平面とはなかなか難しい。
平面、と言っても真っ平なものではない。凸凹していてもパッキン角材が垂直になるなら良し。という事で、板を切って当てがって計測しながら掘っていく。いやはや、結構時間が取られた。
←右下のものがパッキン角材
当時は知らなかったが、こういう箇所の加工に適した鑿があるようだ。この為だけに買えないけども。
そして、小屋梁。柱と同じだがこちらは窪ませずに掘るので多少ラク。ただ、雇い実の受け穴を、深めかつ寸法厳密に高所で掘ったのでこちらが難儀。
これは、小屋梁側では雇い実をクサビなり栓なりで留める事が出来ないからだ。小屋梁の向こう側は壁があるので貫通させられない為。大工職人レベルの方ならご存知かもしれないが、お父さんが調べた限りではお手上げ。
という事で、これで仕口加工終わり。この頃は酷暑。二階はさすがに暑くて汗が止まらずフラフラ。途中で千円程の扇風機を買いに行ったり、飲み物をクーラーボックスに入れたりと。こういう頭を使う神経質な作業は真冬にしたかった。