家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

柿渋は カビが生えるし ゲル化する

 古色、柿渋と顔料と墨の混ぜ物。この塗布を一度に行うのであれば何ら問題ない。だけども、木工事をする度に、一つの木を加工し取付る度に塗布作業が発生する事が多い。なので、使い勝手を良くしたいと思う次第。

 ペットボトルを容器にすると、容器が着色されて中身の状態が見えず。振って使うも、どうにも中で固形物が居座る。最初は液体が多く、最後の方は固体が多く。均一にならず。

 

 何かないかとネット検索してもこれだと思うものは見つからない。建材として使用する方はそもそも少ないのかもしれず、さらにネットにあげるような方はさらに少ない、というかおられないのではないか。

 見つけた動画が一つあったが、それは施工者ではなく工務店など別の方によるもの。その動画では、90Lタイプかの大きなゴミポリバケツで、材料を一斉に投入の上に攪拌機を用いて混ぜる大量生産方式。板垣の補修か何かだったと思うが、それを一気に塗布して拭き磨きという施工。少量使用を何日にも渡って行うお父さんの用途では理にかなわない。

 

 何か無いか、何か無いか、と大型ホームセンターを彷徨う事にした。

 あった。ありました。果実酒用のガラス瓶。口が大きいので、かき混ぜながら必要な分だけ取り出せられる。ガラス瓶だから着色されない。外蓋だけでなく中蓋まである。何より果実酒を作るような容器だ。柿渋が空気に触れて固まってしまう、なんて事はないはずだ。これは適材だ。

f:id:kaokudensyou:20151011144511j:plain

 

 と思っていた。塗料の調合や使用の為の容器としては、確かに特段問題がない。問題があるのは保存容器としてだ。

 アイドルグループ、と言ってもお父さんと同年代のオジサン達が、無人島を開拓するというようなテレビ番組がある。そこで、柿渋が抗菌殺菌作用があると紹介されていた。お父さんも何となくそう思っていた。

 

 が、実際はガラス瓶に入れてから十数日後、白カビだらけだ。軽くパニック。

f:id:kaokudensyou:20151011140142j:plain

 

 よくよく思い出すと、製造工程で渋柿を漬けている段階からカビが出来るのは何かで見た事があるぞ。渋柿が柿渋になってもカビが出来てしまうだなんて。果実酒が瓶内でカビを起こさせないのは、おそらく瓶内空気がアルコールで満たされるからじゃなかろうか。

 柿渋は、抗ウイルスや抗菌作用があるという文言がある。ウイルスや細菌には効いても、カビ(真菌)には効かないとか? よく分からん。

 

 さらに残念なのは、固まりかけたゲル状になっていた事。

 カビだけならば取り除いたり、いっその事混ぜてしまって使えん事も無い。しかし、固まってしまってはお手上げ。密閉空気ならば固まらない、と何となく思っていた。

 よくよく検索してみると、長期保存はゲル化するという文言があるじゃないか。小さい容器だと促進するとな。密閉空気云々の問題以前のようだ。ゼリー状以上の硬化だと手遅れ、ヨーグルト状だと水を入れて薄めたりして継続使用は出来るらしいが、うぅ。

 

 少ない知見ながら思ったのは、木建材塗料として柿渋がペンキに取って代わられた要因の一つは「保管」じゃなかろうか。

 

にほんブログ村 子育てブログ 子育てライフへ にほんブログ村 住まいブログ 伝統工法住宅へ にほんブログ村 住まいブログ セルフリフォームへ