杉丸太梁に古色塗布
さぁ、一階天井工事の本格開始。と言っても地味な作業から黙々と。砂埃を被った丸太の梁を拭く。
その後、やすり掛け。大体真っすぐの杉丸太は良いとしても、松か何かの凸凹した大梁だと、紙やすりはすぐにボロボロになるだろう。お父さんの手もささくれが刺さってボロボロになるだろう。
そんなわけで、クッション性があるやすりがあったので、番手違いを幾つか購入。
高所ではなく平面材であれば、ベルトサンダーでそれはそれは綺麗に出来ただろう。やってみた。はい、無理でした。平面材である角材の小梁でも、ベルトサンダーの重さと大きさからあまり効率的ではなかった。結局、やすり掛けした意味があったのかは、地上から見上げるとあまり分からない。一日作業だったのに…
そして本番、古色塗り。一階天井板となる二階床板を一旦外したのは、この板が荒材なので化粧材に近づける為だったがそれだけでなく、この丸梁に古色を塗る為だ。板を外さないと、その接合部をちゃんと塗れないと考えたからだ。
で、とにかく塗っていった。しかし、懸念していたものの古色は手間取った。杉丸太の表面がツルツルしているので、古色がのってくれないのだ。古色の顔料の固着があまりよろしくない。柿渋や墨も思ったよりはいまいち。
この家には、元々表しになっている杉丸太の梁が複数本ある。製材や平面出しされた角梁やうねり梁も複数本ある。前者は裸のまま、後者は古色が施されている。この事から杉のつるつる丸太に色はのりにくいのか、と想像していたのだ。
杉丸太を裸のままは意匠的によろしくない、という事でやってみた。一度塗ってしまったので後戻りは大変。表面をザラザラにする、というのは塗装の基本的な工程だと思うものの、厚みある油性塗料と違って古色でそれをすると、そのザラザラ感も現れそうで何だか違う気がする。
致し方なし、と二度塗り。一度目の固まった古色がポロリと落ちつつ、マット感が気に食わないものの一見何とか形にはなった。
しかし、杉丸太梁間に階段を設ける箇所があるので、近接で見る事が出来てしまう。荒が分かるかもしれない。それ以上に、人の通行により古色が剥がれないかと心配。その対策として現時点で考えているのは、ここから亜麻仁油か柿渋原液を上塗りしてコーティングする案。
そんなわけで、完成したようでしていない気持ち悪い感じで作業終了。拭き掃除からここまでで5人工程度も費やしてしまった。