家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

荒壁塗で渋滞緩和

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 現場は長野県。真っ暗の中出発したが、着いた頃には綺麗な山並みが見える明るさになっていた。

 

 先輩邸に車で近づいた際、意外感があった。周囲の家屋が今時のものが多かったから。先輩邸は元茅葺屋根だし長野県だしで、岐阜県白川郷のような地域を想像していた。少なくとも、木と土と瓦か茅の古民家が占めている地域かと思っていた。この家の周囲の方が昔ながらの古民家率がはるかに高い。

  そういう「普通の」田舎風景だからか先輩邸は浮き出ているように見えた。まるでオブジェクトかのよう。

 

 また、先輩邸が思いのほか小さく見えた。先輩ブログからだとこの家よりも二回りは大きいはず。なのに、そうは一見見受けられない。が、近づくにつれてやはりかなり大きいのが分かってきた。屋根があまりにも大きい上に見慣れない家屋の為、遠近感がおかしかったようだ。さすが元庄屋邸。

f:id:kaokudensyou:20150906114434j:plain←この写真感より実際はもっと巨大

 お父さんも元茅葺屋根かつ元庄屋邸を検討した事があったが、同じような規模だ。断念したのは、過度な閉鎖性等の地域性と立地が大きな理由だが、過大規模も理由だった。傷みは遥かに少ないもののお父さんは断念。相当傷んでいるものの先輩は決行。先輩はハナから古民家狙い、お父さんは結果的に古民家。意気込みがそもそも違う。

 

 お父さんの楽しい旅の思い出日記ならば、短編小説並みの文量になってしまうので割愛。しかし、この中できょうことりょうすけに話しておこうと思う事は、実体験の有無の差についてだろうか。

 

 恩返しチャンスだとして「いざ信州へ」馳せ参じた。しかし、それだけではない。この家の荒壁施工の参考になるかも、という目的もある。ただ、他の応募参加の方が何人おられるか不明だったので、もしお父さんだけならば土運びだけとか補助作業のみになるだろう。そうならば、塗らせてもらう事は恐らく出来ないだろう。それでも構わない。古荒壁を寝かせた荒壁土の完成形を知りたかった。先輩は確か一年前後は寝かせておられたので、確実に知る事が出来るから良し。

 と、事前にああだこうだ考えてから、未知の土地と人物と現場に赴いた。

 

 実際は、予想以上に前線で荒壁塗りをさせてもらえた。参加人数が、ご夫婦二組と先輩の学生時代の同級生の男性の方お一人、計5名の方がお父さん以外にも来られていた。それなりの人数がおられた。その上、先輩はお父さんが後に同施工をする事を承知されていた。なので塗り作業を促してくれた。他の方が割合として多めに、暑い中屋外で土の段取り作業をしてくれていた事に感謝しつつ、大いに塗らせて頂いた。

f:id:kaokudensyou:20150906113926j:plain←他の参加者の方との協働塗り

 

 施主施工は脳内が交通渋滞を起こす。工種や工程が増えれば増える程。お父さんの中で、荒壁の塗り作業も渋滞発生要因の一つ。しかし、荒壁工程路線の渋滞緩和が起こっていた事に後日気付いた。検討や懸案ではなくなり、ただの作業待ち事項になったのだ。

 「自分は出来る」「やった事がある」「知っている」、という体験や経験の有無の違いを改めて思った。何も本職並みに出来なくても、この時点では良いのだ。未知の事象や事柄に対する心理的負担とは、少なくともお父さんにとってはそれなりだ。これが解消出来る、という事は一つの効能。先輩からのお土産だ。

 

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