古規格瓦の対応方法
仮住居となる門屋の屋根補修を緊急着手。
恐らく凍てと思われる割れたは瓦は、平瓦が主で軒瓦は1枚。何枚割れていたか、軒瓦は残っているが平瓦写真は見当たらない。平瓦が5枚ぐらいだったかな。
門屋は、母屋より古く昭和10年代築。新築以来の瓦かもしれない。70年以上かと思うと胸が熱くなる。そんな古い瓦なもんだから、現在の市販瓦にサイズが合う物は無いらしい。
そうなると納屋から瓦取り。将来、既存使用規格の瓦不足に陥った場合にどうするか。
市販瓦を部分カットして使う事を検討する事になると思う。現に、そういう個所が母屋屋根にある。トイレのような釉が施された陶器ではない淡路瓦。製品のままでも水を吸うらしい。これでカットなどした暁には、その切断面からさらに水を吸うかもしれない。凍てやすくなるかもしれない。
部分的にカットして嵌ったとしても、波打つような形状の瓦で寸法が違うもの同士だとピッタリ嵌らない理屈。そうは思うが、そもそも昔の同規格のはずの瓦自体が、形状がバラけていてピッタリ嵌るものではないようだ。それを全体的に美しく、そして雨漏りしないように納めたのが昔の職人さんだったのだろう。今時の製品寸法精度が高い瓦を、空葺構法で納める事しかやっていない瓦屋根屋さんには難しいのかもしれない。
ま、そんな訳でお父さんの想像だと、現在市販の規格瓦を欠いて用いる事は、凍ての危惧の方が高いかと。これならば、割れれば変えるで対応可能かと。物は安いものだから。
市販規格瓦を買う事よりも最良なのは、ご近所の同規格古瓦を建て替えや葺き替え時に頂く方法。アンテナを張っておこう。
現状は、意図せず材料取り出来る家屋があるのでこれで対応。納屋から取って門屋に葺く。周囲の瓦の堆積物も除去する。1時間程度かの作業。この為に業者を呼べば、一体幾らかかるだろう。市販のピカピカ新瓦を切り欠いて、色違いというか趣が合わない事になるのだろうか。でも、万円単位を請求されそうだな。
それにしても、この箇所の葺土は量が多すぎないだろうか。
重ね箇所の堆積物による毛細管現象で水が揚がってしまうと、確実に葺土に蓄えられてしまうなぁ。しかも、一旦吸った水全部が蒸発しにくそう。こりゃ、野地板が腐朽するわけだ。
この葺土自体が堆積物になっている箇所も多い。そして、この下屋の勾配は緩い。それが故に、少々の雨で水を揚げてしまっていたかもしれない。葺土は、粘土と言うより砂のようだ。粘土粒子は流れてしまったのではなかろうか。勾配が緩いから、敢えて葺土を敷き詰めたのだろうか。う~ん…