家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

戦線離脱

 施工者探しの途中で施主見積を作成し、この家の改修工事はほぼ施主施工となる事は確認していた。それ以前からも、こうなる見込みは立っていた。その過程を把握しているはずのおじいちゃん建築士は、本当にほぼ施主施工となるとは思っていなかったような言動があった。何を今更そう言うのか、とさっぱり理解出来ないお父さん。

 それから数日後、「建築士として如何なものか」とこの工事に携わる事を降りるとメールで伝えてきた。

 

 おじいちゃん建築士が何を考えたのか、何を考えていたのか、結局よく分からない所が多かった。

  ほぼ施主施工にならないよう、予算の大幅増額をするとでも思われたのだろうか。お父さんのそれまでの言動からそれはあり得ず、おじいちゃん建築士ご本人も何かあれば施主施工を推奨されていた。

 施主設計になってしまった時点で半分、施工者探しが不調な時点でほぼ、お父さんの中では建築士として頼られない、自分でやらないと、と既に思っていた。なので、「相談者やアドバイザーとしての役割」を口頭で求めた事はあった。その記憶はないようだ。

 蚊帳の外というのもよろしくないだろう、という事で極力携わってもらうように経過報告なども都度都度していた。これで、それをしなくて済み一作業がなくなる。

 

 しかし、「設計業務が発生しないので設計料はいらない」「決して敵前逃亡ではない」「今後も相談に乗る」とも。

 このまま施主設計に基づいた施主施工が行われても、建築士としての責任はほぼ発生しない。建築士としての業務をほとんどされずに至っているからだ。それが故に満額を払うつもりはなかったが、ある程度の報酬は得られたはずだ。しかし、辞退された。

 今まで見えている所だけでなく、見えていない所でも時間や経費を使っておられるだろう。それに、無償で相談に乗ってもらう、という事がなくとも気が引ける。せめてお車代程度でも受け取ってはもらえないか、と提案するも拒否。

 

 色々不満や不平などをお父さんは抱いていた。遠回りを強いられた感も少々ある。しかし、やはり憎めない。

 それだけでない。そのメールでお父さんは動揺してしまった。こちらから言って辞めてもらおうかと考えた事もあった。今後も当てにしていなかったつもりだった。だが、この施主施工の理解者などいない中で、どこかで頼りたい想いがあったのだと思う。

 

 その後、現場に一度顔を出してくれた。そして、月に一回は来るとの事。それから数ヶ月、ご来訪は無い。相変わらずだ。

 

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