家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

資材置場と荒壁土確保

 「資材置場」の確保、これ大事。施工等の効率が変わってくる。本職施工だろうが施主施工だろうが同じ。

 過去のマンション一室の施主施工では、途中から住みながら行った。建材や廃材、ゴミ等と家財道具が同じ空間。そこで寝起きし摂食。我ながらよくやるわと思ったし、お母さんに至ってはかなりストレスになっていたように思う。

それに引き替えこの家では、戸建でなおかつ敷地に余裕があり、さらには居住家屋以外の建物がある。この雲泥の差の感覚は、施工現場で寝起きしていた人間でないと分からないだろうなぁ。

 本格的に着工した際の住まいとしては、門屋を使う。移動が必要な家財道具は、ガレージと土蔵、それに門屋の物置スペースに保管しておく。

 そして、解体材で再利用する木材類は、解体予定の納屋をその置場とする事に。さらには、不足分の荒壁土の材料取りの目的もある。という事で納屋の部分解体に着手。

 納屋内の片付け。ベニヤ棚を解体、一部は門屋物置に移設保管。アルミ戸の撤去。外壁の杉板外し。その他諸々で
2人工程だっただろうか。

 そして土壁撤去。土壁を触る事自体は母屋二階で行っていたが、漆喰仕上壁は初めて。漆喰を剥がす事は容易だった。ペリペリっとだ。ゆで卵の殻むきのよう。

 問題は、中塗土と荒土の分離。これが出来るものかどうかが分からなかった。実際にやってみると、見た目が明らかに違っていたので心配不要だった。しかし、作業自体は手間を喰う。漆喰のように剥がれるものではなかった。中塗土と荒土は一体的になっている。中塗土は、荒土よりも砂を多く入れられているので、荒土プールに入れるわけにはいかない。結局ケレンでガリガリだ。

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   ↑見れば分かった中塗土と荒壁土の違い

 ケレンでガリガリ。中塗土をガリガリ。再利用できるので費用節約、という想いのみを支えにやる。それ以外は無の境地。でないと、しんどいけどもつまらなくてやめたくなる作業。外側、内側共、ガリガリガリガリ… これを
1.5人工ほど。「1.5人工」=12時間と書くと短いようだが、やっているとそれ以上に長く感じる時間。
 これが終って出てきた荒土は、バールで叩き落すだけで済む。それまでのフラストレーションが手伝って、これは早々に終了。

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 中塗土は土嚢袋に、荒土は一輪車でプールに投入。他、竹木舞を外したり、資材置き場化の造作をちょいと行って完成。解体木材類の他、ベニヤや鉄くず、廃電線等のゴミやスクラップ材を整理投入し、取りあえずは終了。総じて6人工程になっただろうか。結構かかってしまったが、この時点での荒土想定不足分は解消。

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