家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

ぼんやり直線階段案から曲がり鉄骨桁階段案へ

 二人に伝えておきたい事は大方書いてしまった。しかし、引き続き設計過程や作業内容等は記録として書いていこうと思っている。
 この改修工事では、3DCAD以外に仕様書に近いと言えば近い書類や資料はある。紙ベースでの平面図や立面図は描いておくかもしれないが、さすがに矩計図や詳細図等は改めて書かない。また、施主施工方法の指南書のようなものも残せないと思う。そこまでのものを残すには、お父さんが本職レベルでないと無理だ。これらに代わるものとして、この記録から読み取ってもらいたいと思う。

 


 
2階の解体工事、土壁修正作業、母屋下屋瓦のメンテナンス等の随時作業。各施工者探し。これ以前には狩猟免許試験の勉強や受験。そしてこれからは、猟銃等所持許可初心者講習の考査(試験)勉強をしなくちゃいけない。この考査試験は有名な国立大学現役大学生でも落ちた、と所轄署の担当官から脅された。原付免許を一回落ちてしまった経験を持つお父さんは分かる、油断大敵だ。満点目指した勉強をするつもりだった。


 色々な事が並行、また待ち構えている。脳内は軽く混乱中。目先の事柄としては、春先着工を目指してやっておかないといけない改修の具体的な設計だ。概要プランの「Plan6」から基本設計に近づける「Plan7」着手。
 目下の優先検討箇所は、リビングの顔になりそうな既存の床の間の取扱い。おじいちゃん建築士は案を出してくれない。業者による全項目の見積提出を受けてからなのか、施工しながらの検討か。全項目の見積を目論むのなら、ここは事前検討しておかないといけないと思うのだが。という事で、やっぱり施主設計に追い込まれる。

 

 手前に直線階段があり、その奥となる窪んだ空間。造付リビング収納飾り棚という以外に案は出ない。床の間は、その家屋の最も格式ある居室に設けられるもの。日本建築仕様上セットのものだ。建具で仕切った和室を無くす事は、床の間も無くすと同義語。しかし、場所柄からしてただの収納という設備だけではいけないような気がするのだ。そう捉えてしまうとなかなか案が出ない。難しい。そもそも、手前にある直線階段の仕様をどうするか。「直線階段を配する」という事だけしか決まっていない。この階段によって、床の間取扱い案も変わってきそう。思考の迷路に入り込みそうな予感。

 

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 それにしても、この直線階段がどうも腹に落ちない。リビングから見る、斜めから見る、中庭から見る。気に食わない。踏板だけでなく桁を描いてみても、意匠的に気に食わない。それに、直線にする為に階段降り位置は縁側としている。動線も改めて何だかイマイチ。曲がり階段にて再検討してみる。

奥になるリビング収納棚との兼合いからも、階段は軽い感じではどうか。その為、踏板を支える桁も太いものではない方が良いのではないか。ならば、桁だけ鉄骨にするのはどうか。鉄骨桁の完成品さえ設置できれば、後は踏板を取り付けるだけの簡単施工。本職にお願いせずとも施主施工での対応が容易そうだ。

そんなこんなで元床の間のリビング収納棚設計案は先送り、まずは階段の設計変更を行う。

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 ちなみに、出来た案を見たおじいちゃん建築士。「わざわざ縁側に出る階段はどうかとも思ってたんですよ」と。

 施主が設計案を示して建築士が了承する。おーい、そりゃないでしょ!! 何も他人の案を受け入れたくなくて施主設計をやっているのではない。今までも貴方の提案を採用しているじゃないか。施主設計は、貴方に意図がなかなか伝わらないから已む得ず行っているのですよ。オカシイ、他に良い方法がある、と本当に思っていたのならちゃんと出して下さいよ!
 あぁ、ボヤいちゃうボヤいちゃう…