家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

枡から滝水

 軒樋穴埋めを終え、次は縦樋。中から手を入れてシールを貼れない箇所がある。そこは外からグレーの変性シリコン(コーキング)を塗布。

 それにしても、以前に行われたコーキングが汚い。以前の所有者が行ったのか業者が行ったのか、これについては分からないがどちらにしろ汚い。ヘラを使ったり指を使ったりどちらも汚い。ヘッタくそなのだ。ちょっと腹が立つ。ただでさえコーキングなんかを見える箇所に使うのだから、せめて綺麗にやらんとイカン。

コーキングガンで必要分を出して該当箇所に付けて、その後は指に唾液を付ける。これよ、これ。唾液を指に付ければコーキングが指に引っ付いてこない。油粘土のようにキレイに整形し塗布できる。しかもお手軽で簡単。唾液を付けない指は以ての外。ヘラなど道具よりも確実に綺麗に塗布できる。指に余ったコーキングは、ボロ切れや紙クズに拭って行っていく。

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 ↑ おむすび型なグレーの箇所がお父さん  クリアのものは下手くそな別人作品

 

 後日の雨にて出来を観察。当然ながら水跳ねが止む。必ず濡れていた木部箇所も濡れないようになった。水跳ねが無くなった分、雨音が静かになった。もっと早くやっていれば良かった。大いに反省。汚いコーキングであっても、しないよりはする方が幾分もマシかと思う。

さて、この数日前には止まったいた懸案の雨漏り。お父さんが夜中に仕事なり設計なり調べものをしていた部屋の天井。ここに降雨時はポタポタと音がしていたが、それは止んでいた。すると、今度は軒樋からの滴音が気になっていた。それも止んだ。

 これで気になったのは、ポリカ波板からの轟音だ。

1階北西側の既存天井と壁には、かなりの雨漏り跡がある。前所有者はこれに対応したので雨漏りは無くなったという。その対応方法は、該当箇所の下屋を覆い被せるようにポリカ波板を敷設してあるのだ。何とも安普請対応だ。お父さんの軒樋穴ブチルテープ貼りに匹敵する。そのポリカ波板に、大屋根の軒樋の枡から雨水が滝がごとく溢れ出し叩きつけていた。

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 この状態は以前から気付いてはいた。例の意識の低さだ。「あぁ、溢れているなぁ。こりゃイカンなぁ。」という程度で放置していた。そして、意識がちょっと高まってからでさえも、二回はこの音を聞き流していた。大屋根軒樋の穴塞ぎによって排水雨量が増え、その分以前よりこの音は大きくなっていたはずにも関わらず。

 そして三回目してようやく「これはマズイのではないか!?」だ。夜中の雨にライト片手に状況確認。ポリカ波板上に落ちた雨水は跳ねまくり。その流れは激流と化し土蔵にぶち当たっていた。

 これだったのか、土蔵の壁を破壊していたのは…

 土蔵の壁漆喰は剥がれており、中塗り土も流れている。所によっては荒壁も流れ竹木舞が露わになっている。これを自然の劣化だとお父さん含めた皆が何となく思っていた。これを1年以上放置していたのだ。何てこった…

 1階北西部の雨漏り跡も、もしかしたら枡からの溢れ水が原因なのかもしれない。瓦屋根の構造を考えると、このだだ漏れと言える雨漏り跡がイマイチお父さんには想像が出来ない。枡から溢れる水量を見ると合点がいく。ここで、樋やそれ以外のメンテナンスの適当さも含め、むくむくと怒りのような感情が出てきた。