家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

施主設計:2階全般

■2階全般

 「個室は狭くて良い」という事から2階の案は難しくはない。と思いきやそうでもなかった。


 難しさの一つには、広すぎるのだ。何とも贅沢な理由っぽい。

 奈良県で家さがしをしていた頃、仲介業者氏が言っておられた。「狭くて困る事もあるが、広くて困る事もある」と。狭さの良し悪しは知っているが、広さは初体験ばかり。敷地でも痛感しているが、建物でも改めて感じる。2階の広さを1階に持って行きたいぐらい。
 この事で、吹抜けを考えたがやはり無駄感が強い。部屋数を増やす、例えばゲストルームなどを。う~ん、面倒だな。ゲストには近くの宿に泊まってもらおう。趣味部屋。趣味がない…

 部屋をたくさん造るという事は用途面で無駄がある、というだけではなくもう一つの理由となるが、窓が少ないのだ。

 新たに窓を造る選択肢はどうもない。全く外観が変わってしまうからだ。この家の外観は完成形だと認識している。これを変えてしまう事には、アルミサッシを否としているお父さんにとっては非常に抵抗がある。さらには、土壁面積を減らして減震力を低減してしまうのもどうか。
 という事で、窓無しの収納兼衣装部屋を追加、男用と女用に分けてみる事を検討する。

 そして難しい最大の原因、その名の通りプランの壁となったのが2階中央の土壁だ。

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 土壁については追々書く事になると思うが、この中央土壁は構造面で大いに貢献してそうに思えて手を付けたくなかった。火災時の延焼や煙を踏まえた防火壁の意味合いもあるかとも想像している。

 しかし、既存の通路開口部位置が北側に寄っている。さらに、何故か数少ない窓に壁が掛かっている。
 土壁には触れず、居室の採光確保を行い、個室面積は抑制し、階段との絡みも踏まえ… 図面を描いては破り、破っては描いての繰り返し。(CADだけど)

 どうにもこうにもならない。悔しくもお父さんの限界。土壁に手を付ける事にした。窓との取合い部分は撤去、廊下になる部分は撤去。せめてもの慰め、として既存の通路開口部は新たに竹木舞をかいて土壁を新設する事にする。