家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

施主設計:洗面所・家事室・浴室

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■洗面所・家事室
 無駄に広い洗面所。これは確定。狭い洗面所しか知らないお父さんとお母さんは、この点はすんなり決まっていた。多くを語らずとも分かってもらえると思う。

 家事室は、お母さんの雑務スペースだ。洗濯物をたたんだり、洗濯物をタタンダリ、洗濯物を畳んだり…
 他に思い浮かばない… まぁ、お母さんが何かしら調理以外の家事や作業が出来るスペースを設けたいと考えた。それよりも、仕事を持って帰ってくる事が多いお母さんなので、書斎があればと思っていた。しかし、お母さんはいらないと言う。たぶん、家事室がお母さんの書斎になるのだろう。

■浴室
 浴室については、お父さんとお母さんは思い入れはない。浴槽は足を伸ばせられれば良い、という程度のレベル。

 既存の浴室はこの母屋内にはない。別棟に設けられている。雨の日や冬はなかなか厳しい状態。母屋内に入れたい。しかし、水蒸気発生装置を入れる事で母屋を痛めたくはない。という事でユニットバスに。


 これにおじいちゃん建築士は待ったをかけた。「ユニットバスのようなつまらないものではなく、造作にしましょう」と。さらに、景色が眺められるような配置にしてはどうか、とも。


 この家から見える景色は、田んぼが広がっている向こうに幹線道路。それを越えて、山裾に立ち並ぶ住宅群。湖畔の住居とかならば考えたいところだが、視界が広がっているだけの何ら大した事がない景色。そもそも風呂に入るのは夜中だ。高層マンションのようにネオンの夜景が広がっていて「この下民どもがっ!」と天下人ごっことか出来るのならまだしも、この家からは暗闇の中に車のヘッドライトが浮かぶぐらいのものだ。何にも魅力を感じない。


 というわけで、景色無視の配置で押し切った。浴室から見えるのはお隣の石積み擁壁のみ。造作浴室の防水については、「FRP」を提案された。そんな新建材は信用ならん、というか未勉強。費用についての問いには、
3040万円で出来ると。その額だと、それこそ安普請のつまらない造作浴室にならないのだろうか、と頭を過ぎる。

 ユニットバスか造作か、これについては施工者とも交えて検討する事として持越しとした。