家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

施主設計:居室広さのコンセプト

■各居室の広さコンセプト


 個室など個人が使用する居室というのは、滞在時間が短い。お父さんとお母さんの寝室などは、その名の通り寝る時だけなので広さはいらない。

子供部屋に関しては、「寝るだけの空間ではない」と元子供のお父さんなりに思っている。一人になれる場所、というものは青春期に必要なものだと。プライベート空間が全くない団地で育ったお母さんは、失恋した時には押入に潜ったりしたそうだ。兄弟と同室だったお父さんは、布団の中か、電柱から外出して夜の町に一人の空間を求めたような記憶がある。

 そんな事からも子供部屋は各自に設けるつもりだが、広さはあまりいらないと考えている。寝具とちょっとした収納の、最低3帖からでどうかと。滞在時間が短い事もあるが、自室にこもる事が出来るような部屋にしたくない。また、勉強スペースとしては別途設けたいと考えた。

親と子供がベッタリする事は良しとしない。子供は子供の時間がある。しかし、子供の存在はある程度感じられるようにはしたい。そんな考えから、二人に対しては緩やかなプライベート空間を与えたいと考える。

 一方で皆が使うようなスペース、リビングなどはもちろん、キッチンやトイレ、それに洗面所や浴室などは無駄に広くしたい。例えばトイレなど、広すぎると使い勝手がよろしくないとも思えるが、それでもだ。これを何と言って説明すれば良いか未だに分からないのだが、簡単に言えば空間の贅沢使いをしたいのだ。

 これらは、家さがしを始めた当初より考えていた。想定していたよりも広い家に行き着いたので、これについては容易に実現しそうだ。