家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

この家の暑さ対策、そして屋根メンテナンスについて

この家の暑さ対策については、初年度のエアコンいらず体験からかなり楽観的だ。でも、涼しい家だからと言って夏の事を全く気にしないわけではない。

痩せていた若い時から暑がりで夏がツラいお父さんからすれば、寒がりの人は対応策がある恒温動物なんだから羨ましい。「寒い事で文句を言う前に着込めや。自分勝手野郎め!」とエアコン設定温度を上げようとする他人に言うともめるから言わないが、内心は強く言いたい。こんなお父さんだけにやはり暑さは気になるのだ。

 「夏をもって旨とすべし」という家づくりにおける格言のようなものがある。「はぁ?」という現代マンション住人がいたので一応説明しておく。昔の空調機器が無い時代。冬は、暖をとれるし服を着込めば良い。体を動かしても良いかもしれない。しかし、夏の暑さはお手上げだ。裸でじっとしていたからといって涼しくなる事はない。こういうところから、昔の人は家づくりでの夏の暑さ対策を施してきたらしい。寒がり現代人とよりも話が合いそうだ。

間取りプランは白紙状態であっても、二階に居室を設けて寝床にするのは間違いないだろう。その二階は、一階の涼しさと比べて暖気を感じた。セオリー通りならば二階の天井施工はやるべきだろう。

 ただ、ここで悩む。大屋根の小屋組を現しにしたい、という願望があったからだ。屋根勾配に沿った勾配天井にして、梁やら棟木やらを見えるようにした方がカッコいい、と。

この見た目に関しては、お母さんもおじいちゃん建築士も、当時話していた施工者達も現し推奨、異論無しだ。

 という事で現し仕様に行きそうになった。しかし、暑さ対策はどうなるのかと言うと、勾配天井にするならば屋根面を支える垂木の間に断熱材を入れた上、蓋をする事になると思われる。

蓋をしてしまう、ここでお父さんはしばらく悩み続ける。雨漏りなどの不具合が発見できなくなる、正確に言うならば、雨漏りが断熱材で吸収しきれなくなり天井板を通過してきた時が発見期だ。その時点で断熱材と天井板はやり替え、雨漏りがヒドイ状態になっているだろうから野地板もやり替え、瓦葺土の流出もあればその周辺一帯の瓦土葺再施工、等になるかもしれない。一大事だ。

 長寿命の為には点検とメンテナンスが肝要、という考えているお父さんからすれば勾配天井はリスクあり。いやぁ、危ない危ない。普通の平天井の小屋裏側に断熱材を敷く、という事も考えた。だが、それだと雨漏りが滴るものだと気付きにくそうに思う。ここはまだ検討中だが、おそらく施工しないと思う。

 それにしても、お母さんは仕方がないが、建築士や施工者は何故この事を指摘や助言をしてくれないのだろう。その上での勾配天井ならまだしもなのだが。自分の仕事の今まで通りの延長、雨漏り発見遅延事例を直接体験していない、という了見からなのか。こういう所から、プロと自称する人達への不信感、不安感が積み重なっていくお父さんであった。