家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

伝統構法坪単価、100万円以上也

 建物寿命だけで見ると不公平だな。という事でお金の面も考えてみた。

普及に主眼を置かれていたと思っている在来工法は、坪単価50万円以下でも建つ。かたや伝統構法を新築するならば、坪単価100万円では足りないと謳われたりしている。この家も、新築するならば1億円~2億円はすると複数の人から言われた。
 実際に、伝統構法家屋の新築現場を見学する機会があった。小さい規模の平屋で、瓦屋根は一番シンプルな切妻屋根。それでも確か3千万円台のお話だったように記憶している。

 我が家と同程度規模の木造在来工法でなら、よほどの豪華絢爛な造りにせず規模に応じた程度の仕様だと
5千万円で十分建つのではないか。前出の新築伝統構法家屋規模なら1千万円台、施主施工でなら数百万円台で建てる自信があるぞ。

 何が違うのか。確かに、材木類は在来工法より立派なものを使っている所が多い。しかし、在来工法での木材費用の割合はそう大きくない。一般的家屋で
1割から2割だったように記憶している。林業や製材機械の未発達期や戦後の復興期など木材が貴重な時代ならいざ知らず、現代でのそれぞれの価格差は1億円もの違いの理由にはならないはずだ。伝統構法の材木費用割合が多いとしてもだ。土壁にしても、その材料費は高いものではない。住宅設備は、在来工法だろうが伝統構法だろうが変わらない。

 となると伝統構法に見合った高めの建材類の積み重ねだけ、ではなく人工代が大きいのだろうか。

 伝統構法を手掛けられるような大工は、お父さんを含めて一般の人間が想像する真の大工さんのはずだ。自然素材である木を”読み”、カンナやノミを自在に操りこれを建材に仕上げてしまう。カッコいい。これらについては今後書くかもしれないので割愛するが、このような大工さんであっても地域差はあるだろうが2万円半ばぐらいの人工代のようだ。ベラボウな金額ではなさそうに思う。
 しかし、如何せん工期が長い。一人だけ入ってもらうのでもないはず。結果、大工さんの人工代だけでももしや数千万円かもしれない。

 伝統構法を手掛けられるような左官は、お父さんを含めて一般の人間が想像する真の左官屋さんだ。これについても今後書くかもしれないので割愛するが、この方々の人工代も… これに、伝統構法を手掛ける数少ない建築士、又は工務店の取り分も考えると… それぞれ特殊な建材、施工者、設計者費用の積み重ね、そして工期の長さが伝統構法を高いものにしているのかな。