家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

北側敷地改造計画:適材「適道具」

 木こりになったお父さんは、斧について詳しくなった。チェンソーについても同様だ。メンテナンスについて学んで自分でする程度に。だけども、少し前までは竹挽鋸も知らずに苦戦する都会っ子だった。

 

 木こりになるよりも前、この家に入居する以前から目論んでいた事がある。北側敷地は竹林であり傾斜地。北側の土蔵が傾いている事からも傾斜地の補強をしたかったのだ。

さらに、入居後に軒樋から直接雨水が流出していた。軒樋清掃を点検を兼ねて行った際、北側は特に笹や杉の葉でかなり埋まってしまっていた。
 
 竹は、土地の表層に根を伸ばす。しかも、成長が尋常じゃなく早く、一年も経たない内に周囲の植物への日光を遮ってしまう。土砂流れや崩れを起こさない様にする為には、雑草含めた草が雨水を受け止めて落下衝撃や流水から地表面を守り、樹木の根により杭を打つようにする必要がある。

 スーパー価格千円程(平成25年度最低賃金全国加重平均額764円)もするタケノコは諦める。まぁ、近隣の山に山ほど竹林があるので頂ける機会があるかもね、と強い執着もなく楽観的。

 という事で入居後早々、密集する竹林皆伐を実行した。

 が、思った以上に重労働。成長し切った竹はなかなかの重量。数も多い。「竹など、木に比べれば容易に刈れる」と思っていたが、倒した長い竹を適度の長さに切り、枝を落とし、それらをまとめて置く。1人工で5本処理が限界。お母さんやきょうこにも手伝ってもらいながらも。

 そんな苦痛の日々のある日、ご近所さんのおばあさんから「私でも簡単に切れる」と話の流れから衝撃の文言が。驚く無知なお父さんは、竹専用のノコギリという存在を教えて頂いた。






 お父さんが持っていた腰付ノコギリは型枠用。早速、竹挽用替刃を手配して刈ると、これは感動もの。サックサクだ。劇的にペースは上がり、晴れて皆伐完了。近隣竹林の合間にハゲ土地現る、という感じになった。

 やはり「適材適『道具』」という事を痛感する次第。