家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

木造だって長寿命、のはず…

 土地探しは継続しながらもこれを契機に、それまでも抱いていた現代住宅に対する不信感や疑問点などなどが頭を巡るようになってきた。

 

 基礎コンクリートの寿命にちょっと触れたが、お父さんの裏テーマ「引き継げる家」としては現代住宅は寿命が短すぎる。 確かイギリスの話だったと思うが、複数世代で家を引き継いでいくような文化がある家系では、補修大工事が必要な時にあたった世代は「運が悪かった」と言いながらも費用を投じた上で、また次の世代に引き継ぐそうだ。

 石の家と木の家の違いはあるのだが、日本でも家屋は引き継いでいた。

 火事や地震津波などの災害で、嫌でも更新せざるを得なかった家屋も多いだろう。しかし、災害にたまたま合わなかった家屋を含め、そもそも日本のちゃんと造られた家屋は部分修繕で直せるように考えられていたりする。直し直しで引き継いでいく文化があったのだ。

 
土台から家を持ち揚げて、50年ぐらい経過して寿命が来た基礎コンだけをやり替える。こういう事も一策だが、そこまでした土台から上の家屋はそのまま使えるのか、というとこれまた問題がある。
 工業製品や化学製品等で造られた家屋は、50年も経てば相当不具合が出ているものだ。基礎コン等部分的だけならまだしも、他の不具合箇所の多さから考えるとやはり建替えを検討せざるを得ない。
 

 そう考え出すと裏テーマの実現性が難しそう。と言って、住宅業者に踊らされて大枚払って家を買うのもバカらしい。先が見えなく土地探しのペースは次第に落ち込んでいった。