家とは不動産だ
どこから書けばよいか迷ったのだが、前段階としては長いが家さがしに至った経緯からの方が良さそうに思う。
お父さんは家自体に執着はなかった。「耐久消費財」「不動産」「投資対象」などの、「資産」としてしか捉えていなかった。「夢のマイホーム」「一国一城の主」など、一昔二昔前に家持ちになる事を人生の目標かのような言い回しがあったのだが、今やそのような言葉を聞くことがなくなった。お父さん自身、「資産」と捉えるまでは「たかが家」程度だった。
お母さんは、団地に少しだけコンプレックスがあったようだ。
これを書いている時代の団地ではなく、6帖二間にキッチンダイニング(というか台所)の、昭和30~40年代に建てられたよくある団地である。
お母さんの実家は仲良いし、狭い家ならでは良さもあると思うのだが、友達を呼ぶのをためらっていたと。
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では、そんなお母さんは、結婚して独立した事で自分が思うような良い家を求めたか、というとそんな事はなく、「住めれば良い」という考えの方が支配的で…
結局のところ、お父さんとお母さんは結婚してから当面は、通勤や立地、そして家賃で家を決めていた。そこから方向転換をしたのだが、それは前述の通りお父さんが家を「資産」と捉えるようになった事に始まる。