家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

道具・設備

樹液を塗る刷毛

漆塗りにはヘラやその他に布が多用されるようだが、塗装具の王道と言えば刷毛というのがお父さんの認識。以前はペンキしか知らず、本施工にて柿渋や亜麻仁油に触れる事になった。いずれも刷毛での塗装を行ってきたお父さんにとってはそういう認識。ヘラや布…

漆用のヘラ作り

あの日に誓った道具への想い。いざ実行。 まずは材料入手。一番簡単なのは購入。漆塗り用の道具が買えるんだな、これが。しかも通信販売で。そうでなければ、図書館等かに行って店舗を調べて電話してどうこうだ。IT革命、万歳。 ただ、その恩恵を受ける為に…

嘔吐的塗布作業

色鉛筆だろうがペンキであろうが古色であろうが、着色作業は気が進まない。詳しくも無い。ましてや漆だなんて、一体どういう塗料具合か想像がつかない。だからこそ、古民家先輩の申し出に飛びついた。 そして予想外のプラスチック製のヘラ。接着剤を塗り拡げ…

苦手な塗装、不信な教師

これまた時が遡り、古民家先輩邸での床摺漆施工時の事であり、今以上に漆について不見識の頃。 彼により指示された同施工方法で使用された摺漆道具は、漆防護具以外だと二つあった。一つは漆拭き取り材であるケーク紙という物。その名の通り、紙。綿布よりも…

無様

さて、出来上がった鉋掛け後の天板。全体を高速瞬きバチバチしながら一見だけすると美しい。やはり艶が全く違う。 しかし、普通に見ると全くそうではない。こう書かなくとも、実際に見ている二人もよく分かっているんだろな。そう、板を剥がしてしまっている…

タモ天板鉋掛け再び

そんな消極的理由により鉋掛けをする事にした。ただ、どうせするのなら前向きにやろう。 まずは鉋刃を砥ぐ。新調お高めの寸八鉋と、毎度お馴染みの中学校寸六鉋。以前の鉋掛けによりタモには青紙鋼だと確認済。硬木だから当たり前なんだろうけども。これらを…

「答えを知ってからグダグダ抜かすな、腰抜け野郎共が」話

はい、次。天板の持ち上げ対策とL字接合問題の解決。 天板を持ち上げた状態にしておく、となると馬に載せてしまうのが一番簡単。馬は三台のみなので追加製作をしようか。 しかしながら、馬材料に使えそうな角材は残り僅か。さらに、普通の馬では低すぎる。施…

お父さんのお尻は良いお尻。凄いぞぉ、デカいぞぉ。

但し、大変。勿論他者の物なら発狂ものだが、お父さんのキレイなお尻でさえ自分で拭くのは大変だ。すぐさま後悔の雰囲気が心中に漂い始める。 替えの桟材は無い。いや、あるにはあるが現状がそれなりの大きさの板。これを切り刻んで桟に使うのは勿体なさすぎ…

束の間の意気揚々

キッチン天板材長尺側への締まり勾配加工は四か所行う予定。その内の最初に二ヶ所については、先述の通り。 まずは、トリマテーブルの凹み補正。天板下につっかえ棒を固定して良しとする。至って簡単。 → そして、残り二ヶ所の施工。非常にスムーズ。集塵体…

灯台足元の暗い所からの伏兵

準備は整った。今度こそは上手く行くはず。トラウマ作業だが意気揚々。で、作業実行。 しかし、おかしい。ホゾと桟の巾は良い感じ。パイプクランプ挿入も途中まで良い感じ。いつか見た画像のように、手だけで廻し込めていけそうだった。だが、挿入の最後あた…

板平面化能力の獲得

ピッタシピタゴラにより治具精度調整を施した。概略設計により板の最終形状も決定出来ている。当然、どこに桟を入れるのかも決定している。 前回の短尺作業時、ホゾに桟を手で入れられる途中までの状態にての問題にも気が付いた。ホゾ巾に対して桟の先と元の…

ピッタシピタゴラ

さぁ、施工再開に伴い施工記録内容の再開、「ピタゴラスの定理」について書くぞ。 これを読む二人が、もし十代で現役学生ならば説明不要かもしれない。二十代以降ならちょっと怪しくなってくるかな。学校で習った事は使っていないと忘れてくる事は多いからな…

集塵力向上化計画

気になる事柄、まだある。粉塵だ。 広い家屋外は勿論、家屋内と言えども建築現場だし粉塵は別に構わない。粉塵が困るの唯一テーブルソー。切削されて飛び舞う粉塵が作業視界を奪って危ない。保護メガネをしていても目だけ守っても解決しない。そして、単純に…

施主施工幅拡大

電動工具で気になる事柄はまだまだある。テーブルソーにセットしているフットスイッチの過電流状態だ。 テーブルに設置したコンセントに繋がれた電動工具をONにしたままにする。フットスイッチによりそのコンセントは通電し電動工具が動く。両手が使える上に…

馬鹿のハサミの使いよう

そんなこんなでお父さんは電気機械を購入する際、壊れたり買い替えたり修理したりを踏まえるように意識をしている。 電動工具においても同じ。家電等と比較する事自体は間違いだが、電動工具が良いのは完全物理的機械物がまだまだ健在。コンピューター制御と…

「家電継承」

「男たるもの、機械物の一つや二つは直せるべき」。このような考え方と言うのか文化風潮と言うのかは、平成の世ではすっかり無くなったような気がする。壊れれば勿論、調子が悪くなった物は原則買い替える。これが現代日本の常識になったのではなかろうか。 …

「濡れ砂に焼き」

<材の準備> 大斑直し開始より気になっていたのは、由良川高級砂の具合。塗り壁表面に小石の引き摺りが起こるのだ。 これは何も当該砂だからと言う話ではないはず。何かしらの設備で篩いに掛けられているだろうが、これには限界があるはず。当該砂は粒度5㎜…

傷心からの起死回生

<材作りの道具> 大斑直しから中塗りに移行して間もない頃。それまでの材作りの方法。トロ舟に泥と砂を入れて鍬で混ぜ捏ねる。硬さ具合を見ながら水や、頃合いを見て灰汁抜き藁を投入。 一回当りの投入量は泥と砂でざっくり10ℓ程。計ってはいないが重量にす…

黒船鏝の実践投入

<道具:良品も使い手次第> さて、実戦投入してみると即変化。 ・半間壁:旧鏝=八分割塗り、1.5時間→新鏝=三~六分割、1時間未満 ・半間強壁:旧鏝=八分割塗り、2時間弱→新鏝=六分割、1時間強 ・3/4間壁:旧鏝=十二分割塗り、2.5時間→新鏝=六~九分…

鏝からの塗り方推察

<道具:鏝からの塗り方推察> 鏝には用途によって様々な形状があるらしい。仕上用や下地用、という類だけではなく本当に様々のようだ。とても書ききれない。鏝の材にも違いがある。ステンレスか鋼かが大別だろうか。白紙鋼もあったかな。そして鋼は硬度順に…

黒船

<道具:本職の鏝> 良い道具というのは、良い仕事をさせてくれる。お父さんは別に職人とかではないが、それが分かるぐらいの大人にはなった。造り手が、使い手の事を考えて作った道具というのは、施工道具であれ自動車であれ感動を与えてくれる。 鏝も間違…

「面出し」方法の施工

<「面出し」方法:施工編> 面出しを実際に行うのは、鏝、そして鏝を操る自らの腕。まるで本職のような高度な事を行うように聞こえるかもしれない。実際にお父さんが行ったのは、素人っぽさ全開だ。 まずは鏝についての予備知識、各部名称。(お父さん調べ…

「面出し」方法の準備

<「面出し」方法:準備編> 「面出し」。塗り壁を平面に仕上げる事。この用語を使われていたのは探検さん。お父さんもこの用語を使わせてもらう。素人がこのような用語を使うと少々本職っぽい雰囲気を纏う事が出来るが、あくまで雰囲気だけ。仕上がりは面出…

本職施工大斑直しの大斑直し

現在に追いつく為にほぼ毎日更新していたブログ。追いついた事で時間的にとても楽になったこの頃。書かない事が当たり前になりそうで、竣工まで続けられるかの心配は微増。 数日振りに書く内容にしても至って簡易。母屋二階大斑直し工程。一階と基本的に同じ…

「資格」より「人」

ちなみにこの新柱の材、今までの既存や新規購入した杉材とは様相が違う。木目が違うし、表面も違う。鉋掛けの感じも違う。 木目に関しては、もしかして「杢目」というものじゃなかろうか。他に「板目」や「柾目」と言うものがある。竿縁天井板には「杢目」材…

一年が経って:役立つ話?

ソーテーブルのガイド材を鉄製化した内容を書いたからと言って誰の役に立つのか。と言う事で、もう少し役立つかもしれない話をもう一つ。大抵の物作りには欠かせない定規について。お父さんが施工で使っている定規類、そして寸法計測具は、差し矩を除くと以…

一年が経って:指摘に沿って書いてみる

そう宣言はしつつ、公開しておきながら極僅かながら読者の方を無視と言うのは少々気が引けてはいる。公開する事が継続の一助にもなってるし、この手記で少しでも役立てばやはり喜ばしい。 指摘して下さった方にはブログ姿勢の転換になりそうだから、と丁重に…

対「水引」兵器配備

「水引」。左官工程において、下地が水を吸う事。 下地が上塗り材の水分を吸い過ぎると、施工がしづらくなったり、施工自体の不良になる。例えば、水により硬化するセメントの場合は硬化不良になる。土壁の場合、下地材の水引等により上塗り材との接着面に水…

養生も大事で立派な作業だから

もしかしたらもしかすると、お父さんは生まれ持っての左官の天才かもしれない。今まで左官とは縁遠い所に居たから知る由も無かっただけで、左官業界を背負って立てる人間かもしれない。 その検証。荒壁と中塗壁の中間工程、大斑直しを試験的に行ってみる。鏝…

家族と他人様のお陰で成り立つ伝統構法施主施工

藁スサ作り用の道具を造ってみた。足で押さえながら、釘を研磨して剣山風にした物。 剣山にしては釘密度が低いが、密度を高めると強度の心配がある。そして、研磨が結構面倒。取り合えずこれで試めしてみよう。気長にやれば出来ない事も無さそう。もう少し小…