家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

設計・施工・伝統構法

ミーハーを踏まえた差別化

では、天板は木地で行くとしても漆でなくともええんじゃないか、とは思わなかったか。はい、あまり思いませんでした。 漆に匹敵する塗膜材となるとウレタンがあるようだ。漆について調べている過程で、ある木工家の方のブログに行き着いた。その木工家の方は…

漆 vs ホーロー

さぁ、いよいよキッチン天板へ漆塗りを行うのだ。本構想準備期間は一年強。施工なんかの行動や結果もだが、そこに行きついた計画等も大事と考えるお父さんにとって、その期間に触れない訳にはいかない。 何故、キッチン天板に漆を使う事にしたのか。それは以…

トップダウンの強権発動

思考の散乱が止まらない。施工者思考はいつもの大工職ではなく指物師、いや、木工職。そして漆塗師が初登場。ただ、木工職は日曜大工レベル、塗師に至っては未経験者。それならそもそも塗師じゃないやんか、という奴まで大きく口を出すのだから始末が悪い。…

貧弱体制

さて、何が問題か分かるだろうか。 お父さんやお母さんの乱心行為とかが無ければ、二人はキッチン天板は日常的に目にや手にしているはず。 その天板、反り止め桟を除いた正味のタモ天板のみの重量は凡そ50kg台半ば程。コンロとシンク設置の為の穴開けをする…

工程の躓き

それらを解決して施工が始まってからも、様々な課題が見つかる。事前に網羅する事など不可能。だからこそ建築業界は経験則のどんぶり勘定。二人が建築土木やその周辺業界にいない場合、そのいい加減さにちょっと驚くかもしれない。だからこそ改善の余地等が…

施主施工の不透明さ

蟻桟の通り道を埋めた事で板材として完成。ようやく、寸法切りの上でL字型にする為の接合部を粛々と加工。埋めた上でのこれら加工、2時間か3時間程度だったろうか。 一山超えた。そして、新たな大問題。長尺板と短尺板をどのようにして接ぐのか。正確に言う…

「自然素材」って何?

そして、もう一つは「自然素材」だ。これについても、考えてしまうと悩んでしまう。何が何をもってして自然の素材なのだろうか。 石油製品であっても、地球にある物から作られたのだから「自然素材」だ。屁理屈に聞こえるだろうか。では、これを否定してみる…

「古民家」って何?

一人称を「お父さん」に戻してそろそろ次の施工の事を書こう、と思っていた。 しかし、寄り道をする。時間差があって現時点で行っている作業は、後述するがとても単調単純だったり流れ作業だったりする。こういう作業をしているとあれこれ考えてしまう事が生…

「出来なければ言って」

おじいちゃんが機械いじりやメダカとツバメとスズメと戯れていたのは、何もサボっていたからではない。先にも書いた通り、キッチンの設計と施工停止が全体の施工を止めていたからなのだ。ここを止めたまま他を進めると全てが中途半端になる。何より、後述す…

施主施工者の資質

お茶目とはとても思う事が出来ない、このおばあちゃんの理不尽な施主施工の非主体性によってとうとう実害が出てきた。キッチンの設計と施工の停止だ。 キッチンはどんなものが良いか、これはおばあちゃんが考えて欲しいとおじいちゃんは伝えていた。おばあち…

自分は良いけど他者は駄目

しかし、しかしだ。おじいちゃんは許容できない事がある。それは理不尽さだ。 他者の行いや言動等にはおじいちゃん以上の厳しい物差しを持っている。これ自体をおじいちゃんは悪い事だと思っていない。でも、おばあちゃんは自身には甘いとなると話が違ってく…

長短表裏一体

おばあちゃんと直接会えた子孫の君達は、おばあちゃんの事をどう思うだろう。きっと良いおばあちゃんという印象を持っているのではなかろうか。それ故に、おじいちゃんは何をボヤいてたのだろうかとも思うかもしれない。孫からするとそれで良いと思う。そし…

施主施工のもう一人の主役

さて、今回はおばあちゃんの事を書いてみようと思う。今までおばあちゃんの事に触れている内容と言えば、おじいちゃんがボヤいているものばかり。これを具体的な事例としてじっくり書いてみる。おじいちゃん自身と同じく人間臭い所を取り上げて、おばあちゃ…

材配合の不安定さ

<材配合の不安定さ> 建物建設に伴い、施工者から「施工要領書」というものが施主に対して作成される。「施工要領書」とは簡単に言えば、その現場での施工具合の説明書のようなもんだ。ISO絡みか何なのか、ゼネコン元請の大きな現場だと必ず作成を求められ…

自然素材家屋施主施工の一つの盲点

<自然素材家屋での○×違い> 古民家先輩邸にて中塗り施工をされた探検さんから、水引きについて散々ご助言を頂いていた。この事でだいぶビビッていたお父さんだが、蓋を開けてみるとさほど手こずらなかった。これは、水引き対策兵器が功を奏したのではないか…

水打ち量考察

<水打ち量> 塗り材の水引き対策と、塗り材と下地材との混和接着材として下地へ水打ちする。その水打ちはし過ぎても構わない、と考えていたお父さん。勿論限度はある。下地表面の泥粒子が流れる程は打ち過ぎ。なので、イの一番で壁全面に水打ちをしてから、…

「面出し」方法の準備

<「面出し」方法:準備編> 「面出し」。塗り壁を平面に仕上げる事。この用語を使われていたのは探検さん。お父さんもこの用語を使わせてもらう。素人がこのような用語を使うと少々本職っぽい雰囲気を纏う事が出来るが、あくまで雰囲気だけ。仕上がりは面出…

「拘り」あれば何でも出来る。「拘り」行けよ。行けば分かる。

長い余談を書く。お父さんからすると、施工方法よりもこちらの方がよっぽど本題。これさえ通ずればウダウダ書かずとも何とかなる。 以前にお父さんの施主施工品質について記述した。今回の左官にてまた「拘っている」から改めてだ。 「拘り」。「高みに昇ろ…

左官職排除の急先鋒

お父さん自身、左官職の方と触れ合う機会はほぼ無かった。そもそも一般家屋現場は数が少なかった事もあり、そういう小規模現場では全く記憶が無い。主だったマンションや公共施設、ビルや工場など規模がある現場では拝見する事はあった。そういう現場の左官…

左官中塗り工程突入プロローグ

ところで、左官工程の山場の一つ「中塗り」について。荒土プール内が空になった事で一段落を至る。 この中塗りについて書く前に、お父さんの考える「大工」と並び立つ家屋を成す双璧工種、「左官」について触れたい。「左官」を考えると、日本の住宅文化の変…

「資格」より「人」

ちなみにこの新柱の材、今までの既存や新規購入した杉材とは様相が違う。木目が違うし、表面も違う。鉋掛けの感じも違う。 木目に関しては、もしかして「杢目」というものじゃなかろうか。他に「板目」や「柾目」と言うものがある。竿縁天井板には「杢目」材…

梁、下がる?

さて、土壁乾燥待ちの間も施工はしている。母屋二階での土壁使用も終わりたいとその準備。 母屋二階施工は久しぶり。途中、ふと目についた。新規階段上り口になるから、と新柱を入れた箇所。梁直下の既存柱撤去に伴い、新たな梁荷重の支持材として先行入れし…

素人施主施工者の「施工・材料見極め力」向上訓練

埋め木作業も大詰め。残すは仏間の仏壇を置いてあった箇所の大きな切り欠き箇所。 柱側は問題無い。釘を使いたく無いので、板を仕上げてきつめに叩き嵌め。一応ボンドを塗ってみる。柱と板の段差は鉋で調整。はい、終了。 問題は、「鴨居」と言うのか「落掛…

難攻不落埋め木

木埋め作業とは、何故こうもヤル気が起きないのだろう。そんなのはお父さんだけだと思っていた。しかし、大変だけど楽しんでやっている旨を事ある毎にブログに書かれている古民家先輩でさえ、同じ感想をお持ちとの事。やった人にしか分からないだろうなぁ。…

寒い中でのヒートブリッジ対策作業

何とかかんとか縦胴縁を取付。この次、壁と縦胴縁との隙間埋め。隙間埋め材には、中塗土配合をした泥土を使用。土壁に泥土。相性は間違い無しのはず。 ただ、作業はそこそこ辛い。狭い隙間に泥土を詰めていく地味作業。それに加えて寒さがきつい。昼前でも気…

伝統構法古民家の施工心意気基準

この家の左官職の腕前を許容する甘いお父さんなのに、探検さんや古民家先輩は厳しそうと言う。心外だ。 大工職探しをしている頃。大工職の一人親方のブログを見つける。 元々は建売大工、お父さん流に言うと建売組立作業員であり、それなりの稼ぎがあったと…

伝統構法古民家の寸法基準

炉壁施工の本格開始。炉床より炉壁を先行させるのは、炉壁を基準として炉床の形状を決める為。炉床と炉壁の施工は順繰り順繰り。 炉壁を設ける為の基準を探す。 土壁は勿論、柱からも基準線が取れない。柱以外からも同じく。こういう家だから2Dではなく3Dで…

薪ストーブへの外気導入

お母さんに防虫金網設置作業をお願いしたのは、お父さんがこの金網を使うタイミングだったから。お父さんが行ったのは、薪ストーブ吸気口の防虫金網設置作業。 お父さんは思った。薪ストーブを使うと空気が要る。ストーブ周囲の既に暖まった空気が燃焼の為に…

軟弱男と怨念女の釘打ち

さて、床組に関連した事でもう一つ。 大引兼根太は刻んで組んでいるが、その他の大引や根太は金物留めにしている。揺れに対する「しなり」や「うねり」を鑑みると全部釘にしたかった所だけども、ビスもそこそこ使った。釘が非常に打ちにくい箇所もそう。解体…

言うならば、「炉台の背骨」施工

平成28年の施工開始。昨年末の束石施工続き、薪ストーブ炉台炉壁を支持する床組を造りたい。具体的には束と大引と根太の施工。さぁ、どう造る。どう造ろう。混乱。脳内だけで考えてもまとまらない。紙に書いても細かい所は詰められず。仕方あるまい、現寸取…